【図解 無印良品は、仕組みが9割】を自社の業務改善に応用!

当社では「永続的な良い仕事:プロフェッショナルな仕事を全てのスタッフが提供できるようにすること。」を目的として、「良本から学び、良い仕事や生活習慣・仕組を創造して身に付け、スタッフの人生や、エレメントでの仕事を向上させるため」に朝礼後の15分間、それぞれに選んだビジネス書を読んでまとめるという時間を設けています。

今回、私が選んだのは【図解 無印良品は、仕組みが9割】というタイトルの本です。

まずは本の概要を抜粋してご紹介し、最後に私が一番共感し、実行したいと思ったポイントを紹介させていただきます。

目次

【無印良品は、仕組みが9割】とは、どんな本?

株式会社良品計画会長の松井忠三(まつい・ただみつ)氏が、西友から、当時赤字状態の無印良品に事実上の左遷と言える出向となり、無印良品の会社の風土から“改革”することに着手、次々と結果を出し、業績のV字回復・右肩上がりの成長を遂げ、現職に至るまでに行った様々な無印良品の仕組みについて詳しく書かれた本です。

個人の経験や勘に頼っていた業務を“仕組化”してノウハウとして蓄積させるため、マニュアルを作成

仕組みのメリット

①シンプルに仕事ができる仕組みがあれば→ムダな作業がなくなる

②情報を共有する仕組みがあれば→仕事にスピードが生まれる

③経験と勘を蓄積する仕組みがあれば→人材を流動的に活用できる

④残業が許されない仕組みがあれば→自然と生産性が上がる

仕組みをつくる上でのポイント

・仕事力は「細部に宿る」ことを意識

・「悩み」を「仕組み」で解決する

「1章 決まったことを、決まったとおり、キチンとやる-経験と勘を排除する方法」概要

第1章1 無印良品の「お店の雰囲気」もマニュアルから生まれる
第1章2 マニュアルをつくったところから仕事はスタートする
第1章3 仕事の「目的」をはっきりさせよう
第1章4 マニュアルには五つのメリットがある
第1章5 トップダウンではなくボトムアップで
第1章6 「顧客視点」と「改善提案」がマニュアルづくりの柱
第1章7 「新入社員でも理解できる」マニュアルを
第1章8 「何、なぜ、いつ、誰が」の理解が仕事の視野を広げる
第1章9 「見える化→提案→改善」という循環でマニュアルに血が通う
第1章10 「隠れたムダ」を見つけて生産性を向上させる
第1章11 あなたの仕事のやり方は「常に最新版」ですか?
第1章12 仕組みは「どんな業務」でも役に立つ
第1章13 苦情を激減させた「リスク管理法」
第1章14 マニュアルで「人材」も育成できる
第1章15 時間をかけてマニュアルをつくれば、「変革」は必ずできる!
無印のマニュアル1 あらゆる仕事を標準化する
無印のマニュアル2 「商品名をどうつけるか」でわかること
無印のマニュアル3 「仕事の効率」を上げる仕組みとは?
無印のマニュアル4 「勝ち続ける」仕組みのつくり方

この章でわかること=マニュアルの「つくり方」

Before
・同じミスが現場で繰り返される

・なぜこの仕事をやらなければならないのか不満

・上司がいないから、判断できない、わからない

After
・トラブル事例を共有して、チームの知恵も深まる
・仕事の「目的」がハッキリするからモチベーションUP
・仕事の「標準」があれば自分で判断できることが増える

仕組みのポイント

①仕事を改善して、成果を出し続けるには仕事の標準=マニュアルが大切

②マニュアル作成は、その「目的」をハッキリさせて、「使う人」が主導する!

③常にマニュアルを更新して、その時点での「仕事の最高到達点」にしよう

マニュアルを作って終わりではなく、それを常に更新することで「仕事に血を通わせる」ことが大切

仕組みをつくる上でのポイント

・マニュアルに対する従来のネガティブイメージをまず捨てる

・マニュアルを使うだけでなく、つくれる人を育成(問題点をみつけ常に改善)

・マニュアルはつくったところから、仕事がスタート。常に改善しないとマニュアルを「使う」のではなくマニュアルに「使われてしまう」

「2章 売上とモチベーションを「V字回復」させる-苦境を抜け出すための仕組みとは?」概要

第2章16 赤字38億円からの「V字回復」はこうして実現させた
第2章17 戦略一流よりも「実行力一流」を目指そう
第2章18 経験主義だけでは会社は滅びる
第2章19 問題を「新たな仕組み」に置き換える
第2章20 おごりを持つ社員の意識が自動的に変わる方法
第2章21 「売れ筋捜査」や「一品入魂」のアイディアはなぜ生まれたのか
第2章22 人は二度失敗して学ぶ—改革には「大ナタ」も必要!
第2章23 「お客様の声」からヒット商品をつくる
第2章24 「見せかけの突破口」には注意!
第2章25 優秀な人材は集めるのではなく育てる
第2章26 走りながら改革を続ける、改善を繰り返す

この章でわかること=問題解決も、アイディア出しも、マニュアルを更新することを通して実現できる。マニュアルで「モチベーション」を上げよう

1.仕組みをきちんとつくると、それが会社のいい風土につながる

2.マニュアルはあくまで、個人と会社の実行力を高めるためのもの!

3.自分のチームの問題点は原因を探り、仕組みに置き換えて解決しよう

Before
・膨大な企画書を書いても、なかなか実現できない
・チームの課題の解決方法が浮かばない
・良いアイディアが部下から上がってこない
After
・計画に時間をかけない仕組みで、「実行力」を強化できる!
・問題の「本質」に目を向け、解決を仕組み化する意識が生まれる!
・9割の「標準」があるからこそ、1割の「創造性」が発揮できる!

仕組みのポイント

①仕組みが必要なのは、無印に限らずどんな企業でも同じ

②社員のモチベーションを上げて能力を引き出せば組織は強くなる

③劇的な改革より、マニュアルによる地道な仕事の習慣化が重要!

解決策は「仕組みづくり」仕組みづくりとは、会社の風土、社員がつくっている社風を変える試みでもある。最終的には不採算店舗の閉鎖やリストラ等、大手術もしたが、同時にマニュアルの作成と徹底した見える化を進めた。

仕組みをつくる上でのポイント

<ありがちなパターン>実行5%、計画95%
社員同士で激しく議論→実際は仕事をした気になってるだけ

<理想パターン>実行95%、計画5%
方向はトップが決める→方向に合わせて「実行力」を発揮!

実行力のあるチームをつくるには、ムダな作業を徹底的になくして、現場の社員が能動的に動けるような仕組みづくりが不可欠!

「3章 会社を強くするための「シンプルで、簡単なこと」-「他者」と「他社」から学ぶ!」概要

第3章27 好調な企業、強い組織のシンプルな共通点とは?
第3章28 風通しのいい組織と悪い組織を分けるものは?
第3章29 決裁ルートを短縮すると市場の変化に対応しやすい
第3章30 「他社の知恵」を借りて、自社に活かす
第3章31 他社をヒントにしたいときは「見学」ではなく「交流」する
第3章32 改革の「反対勢力」はあえて改革の中心メンバーに
第3章33 抜本的な改革を行える組織のつくり方
第3章34 モチベーションを上げる二つの方法
第3章35 コンサルタント任せの改革は「×」
第3章36 意識改革は「行動」を変えれば実現できる

この章でわかること=マニュアルを「会社の問題解決」に活かそう

1.「意識を変える」のではなく「行動を変える」とうまくいく!

2.風通しのいい会社は、情報共有の仕組みをもっている!

3.お客様から、そして他社から学び、自社の知恵に組み込むのが大切!

モチベーション・ダウンも、縦割り構造も、改革反対勢力も、「意識の変化」をいくら唱えても解決しない

Before
・決裁に時間がかかりすぎて、仕事が進まない!
・社内の人間とえんえん考えていても知恵が浮かばない
・部署同士の争いが起きてしまい、不毛な議論が・・・
After
・シンプルな決裁で、「責任の所在の明確化+スピードアップ」!
・自社内ではなく、他社・他者に知恵を求める意識が生まれる!
・「情報を共有する仕組み」で、派閥争いは回避!

仕組みのポイント

・業界の最前線を走り続ける企業は、非常にシンプルな部分で共通していて「基本のき」が浸透している

・人としての基本が組織の風土や社風をつくり、最後の砦となって組織を守っていける

・遠回りのようであっても、砦をしっかり築いてから業績をアップさせる戦略を積み重ねていくべき

改革の取り組みはどこから始めるべきか?

(悪い例)
・今月の目標に「売上200%UP」「経費50%削減」等、数字目標を掲げる
→チームの地盤が固められずいざというとき、簡単に崩れる。何かの疑問があっても社内で伝達されず解決しない

(良い例)
・今月の目標に「挨拶をしっかりとしよう」等、基本的で風土を作る目標を掲げる
→チームの信頼関係が強くなり一流の企業の地盤が築ける。挨拶の徹底によって不良品が減った会社もある。

(本に書かれていた「基本のき」と言える目標例)
・挨拶をきちんとする
・ゴミをみつけたら拾う
・仕事の締切を守る

「4章 この仕組みで生産性を三倍にできる-むくわれない努力をなくそう」概要

第4章37 努力を成果に「直結」させて生産性を向上させる
第4章38 原因が見えれば問題の八割は解決する
第4章39 「机の整理」と「共有文書」で効率が激変
第4章40 「仕事の締切」=デッドラインを見える化する方法
第4章41 「PDCAサイクル」も仕組み次第
第4章42 残業をなくして定時退社を徹底するには
第4章43 会議で時間を浪費しないため提案書は「A4一枚」に
第4章44 「根回し」を禁じて会議を“組織の成長エンジン”に

この章でわかること=マニュアルで「仕事の生産性」を上げる

1.具体的なマニュアルで「見える化」を実現しよう

2.具体的なマニュアルで「共有化」を実現しよう

3.具体的なマニュアルで「効率化」を実現しよう

「努力」が「成果」に直結するからこそ、仕事が楽しく、効率的になります

Before
・文書の整理ができない。資料がどこにあるのかわからない。
・会議が長い・決まらない・終わらない
・どうしても計画通りに業務が進行しない
After
・全員で資料を共有化すれば、「無駄な時間」がなくなる!
・定時退社を目指して、否応なく効率化を実現!
・仕事のデッドラインを見える化すると、仕事が進む!

仕組みのポイント

・たとえ頑張っても結果を出せないと、力不足だったと判断されるだけ。努力の方法、やり方に問題があると考えて改善する。

・上司が部下の努力をよろこぶのは簡単だが、それよりも部下の努力を結果につなげるための仕組みを考える

・努力をして実力が認められた場合にはチャンスが広がるような仕組みを整えておくことも組織にとっては重要

仕組みをつくる上でのポイント

・営業成績が低迷しているときには様々な問題があるが、まずは「問題の見える化」をする

・「問題の見える化」をすれば、原因が見えた時点で8割は解決

・「実行95%、計画5%」というスローガンを掲げていたので、その実現のためには会議の準備にかける時間などは最小限にとどめなければならないので、会議で使う提案書はA4一枚(両面)と決めた(フーマットはとくにないが必要な数値や重要な情報は必須)。そのための指標が業務基準書で、そこに必要なポイントが全て決められているので、調査自体には時間をかけなければならないが、提案書の作成には時間をかけなくても良い。大量の書類=プレゼンにも時間がかかるので、重要なポイントのみに絞る。

「5章 自分の仕事を「仕組み化」する力をつけよう—基本があれば応用できる」概要

第5章45 「自分」を常に「アップデートする」方法
第5章46 “自分流のMUJIGRAM”をつくれば、毎日が変わる
第5章47 「進化」の原動力となり、結果を出し続けるマニュアルとは
第5章48 あせらず、くさらず、おごらず改革をやり抜くということ

この章でわかること=マニュアルの「活かし方」

1.「自分」も「仕事」も常に「アップデートする」ように意識

2.あせらず、くさらず、おごらず、「改革を続ける」ことが大切

3.仕組みがあると、「走り続ける」原動力になる

リーダーとして、初心を忘れず、地道に改革を続けることは、とても難しいこと。でも・・・マニュアルを「実際に活かして」みよう

Before
・会社で「マニュアル」をつくれるような立場にいない
・マニュアルをつくっても、すぐマンネリに陥る
・うまくいかないことが起こると、すぐに折れてしまう
After
・まず「自分のマニュアル」をつくってみよう
・「すぐ元に戻る」のは当たり前・・・と思いながらも改善し続ける
・「逆境に置かれるほうが、成長できる」と意識を変えられる!

仕組みのポイント

・中だるみを避け、モチベーションを維持するために役立つのがマニュアル

・自分のマニュアルをつくれば、自分の仕事を俯瞰できるので、問題点や課題をみつけられる

・マニュアルをつくることで常に精度の高い仕事を実現し、モチベーションを維持できる。ルーティンワークではなおさら大きな効果が期待できる

・「マニュアルは人を受け身にする」という固定観念はまず捨てる

・他人がつくったマニュアルに従うのではなく、自分独自のマニュアルを常にアップデートしていく

・習慣化している業務ほど、マニュアルをつくると問題点や改善点が見えやすい

手順

1.マニュアル化したい作業(行事など)の性質=「何」「なぜ」「いつ」「誰が」を書き出す。とくに「なぜ」は作業や行事の「目的」であるため、しっかりと確認する

2.その行為(行事など)が現在、どのように行われているか、「現在のメニュー」を見直す。そのメニューによって、手順1で考えた「目的」が実現できているか、を考える

3.目的が実現できていないなら、目的を実現するためにはどうすればいいかを考え、より効果をあげられるようになる新しいメニューに変える

4.新たなメニューをマニュアルのスタート地点として、運用→改善を繰り返す

「初心忘れるべからず」の心得

1.改善できたとしても、そこがゴールだとは思わないこと

2.いったんは改善できても、また元に戻ってしまうことが多いのはダイエットと同じ

3.常に問題から目を逸らさずさらなる改善がないかを考えながら前進を続けるべき

読書後、自社に一番活かしたいと思ったポイント

各章とても有益な情報がありましたが、一部抜粋してご紹介してきました。
全章を通じて、中には企業規模の違いや業種の違いから、当社には当てはまらないものもありましたが、この中で私が一番共感したのは3章です。

冒頭の本の説明でも書いてある通り、どんな仕組みを作り、浸透させるにも、まず会社の風土・土台作りが重要。人を尊重し、育てられる会社が長く続くと思います。

これまでに正社員やアルバイト・パート等で様々な業種・会社を経験しましたが、今でも尊敬している社長(経営者)とは自社・お取引先問わず、連絡を取り合っていますし、会社の風土・雰囲気が良かった当時の上司・同僚・部下や、中には当時のお取引先の方やお客様とも今でも友人として付き合いが続いています。

一方、会社の風土や雰囲気、仕組みが悪く、居心地の良くない職場もわずかにありました。
それでも「学べるところはないか、縁あってその職場に辿りついたのならば、何か学ぶ意味があるはず。」と思い、実際に反面教師としても、そういう逆境の中でどう雰囲気やスタッフの意識を変えていくかなどを学び、身につけることができたこともありますが、それでもリーダーや会社自体が変わらなければ、スタッフ間の横のつながりだけでは「その場」や「自分や仲間の担当部分」は改善できても、人が代わればできなくなる・目が届かない場所は必ず生じる等、限界があると感じました。

そんな職場になってしまう一番の原因は会社の風土。リーダーの資質。
小規模の会社の場合は、どうしても会社の考え=社長(経営者)の考えとなります。
仕組みが出来上がり、滅多に経営者やリーダーに会うこともないような大企業には当てはまりませんが、会社の規模が小さいうちは、社長や管理職次第となります。

無印良品は、本来そんな当てはまらないはずの大企業でありながら、真剣に今後の行く末を見据えて会社の風土の改革から取り組んだ松井会長の諦めない強さと信念が、結果として表れたのでしょう。本文の中にも書かれていますが、本部の人間だけで全てを決めるのではなく、「滅多に会うこともないはず」の本部の人たちが現場に足を運び、勤務時間内だけではなく、その後の食事会等でも交流し、現場の生の声・現状をきちんと把握し、すくい上げたことも大きいと思います。

私は飲食業界での経験が一番長いですが、
「そのお店の雰囲気が良いかどうかは、末端の人間を見ればわかる」とよく言われます。

裏方の皿洗いや、営業時間外の掃除のパートタイマーの方までが、笑顔で挨拶ができ、活き活き働いている職場に悪い職場はありません。

その人たちが活き活きしている理由は、特別待遇が良いからというわけではなく、自分の仕事に誇りを持ち、リーダーも仲間もそれを尊重し、このお店(会社)がどういう目的で社会貢献しているかということを理解しているからです。

そんな風に、会社の良い風土が全てのスタッフに浸透し、実践できる職場では、仕組みも自然に生まれますし、人も育ちます。リーダーに必要なのはその土壌を作ることです。

社員教育は、小さな会社ほど省かれてしまいがちですが、それでは個人のヒューマンスキルが高い者同士が集まるという偶然でもない限り、社内のバランスは崩れます。

個人の長所・短所を尊重する自由な社風の中でも、最低限の標準ルールは大事ですし、そこを一致させていないと、その先のあらゆる場面で考え方が違い、ブレてしまいます。人の上に立つ立場の人には、まず一番にそのことから逃げずに、自分たちの仲間を育てていただきたいと思います。

また、私が一番共感した3章には、人の教育でも重要なモチベーションを上げる方法や気をつけるべきポイントも書かれていました。

ポイント
・やりがいを与えること
・コミュニケーション
・社員も欲しいと満足できる商品づくり
・目に見えない喜びや感動に価値がある
・社内の情報格差をなくす

上記のポイントを「忙しいから」と徹底できないリーダーは多いものです。もちろん人の能力やキャパシティには限界があります。だからこそ、それを助ける“仕組み”が重要です。

3章の他にも、具体的なマニュアル作成の際に気をつけなければならないポイントが書かれている1章や、仕事をしていく上で常に必要な心構えが書かれている5章も非常に参考になりましたが、ここでの紹介は割愛いたします。概要を見て気になった方は、ぜひ読んでみてください。

また、部下の育て方、チーム力の強化については【無印良品の、人の育て方】という本も出版されていますので、人を育てるのが苦手な方、人の入れ替わりが激しい会社のリーダーには参考になることが書かれているかもしれません。

当社もまだまだ会社の風土から改善が必要な少人数の会社ですが、掲げているミッションに共感いただける方は、一緒に会社の風土づくりから始めてみませんか?
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