10月の読書は【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】①

前回は【図解 無印良品は、仕組みが9割】を読んで自社の業務改善に応用しようという話を書きましたが、今月は東洋経済オンラインでも長期に渡り「ミセス・パンプキンの人生相談室」を連載しているミセス・パンプキンと、京都で生まれ育ち、現在は世界をまたにかけて働きながらグローバル金融・教育・キャリアに関する多様な講演・執筆活動でも活躍するムーギー・キム氏(ミセス・パンプキンの長男)の共著の【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】を、現在私も子育て真っ只中ということもあり、選びました。

ただし、今回の期間は1ヶ月もなかったので出勤日×15分では351ページに及ぶ本を全て読み終わる&まとめることはできず、全7章のうち4章までのまとめを各章ごと全4回に分けてご紹介したいと思います。

【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】とは、どんな本?

著者に関しては前述の通りですが、日本生まれで世界で活躍するいわゆるグローバルエリートのムーギー・キム氏と、ムーギー・キム氏をはじめ、4人のお子さん全てをグローバルに活躍するプロフェッショナルに育て、現在も膨大な数の人生相談のアドバイスを東洋経済オンラインで行っているミセス・パンプキンのお二人が、ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる“一流”の子(人)を育てるために必要なリーダーシップを育む方法を、7大方針55か条にまとめ、解説している本です。

【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】を選んだ理由

この本の“7大方針55か条”の根拠なっているのは、東大・京大・早慶を中心とした学生のなかでも、学生時代に突出したリーダーシップを発揮してさまざまなグローバル企業に進んだ2,000人を超える学生を対象に、「両親の家庭教育を振り返って感謝している点・直してほしかった点」を自由に記述してもらったアンケートです。

私は9歳の時に父親を病気で亡くし、ほぼ母子家庭として子ども時代を過ごしましたが、母は父の存命中も正社員として働いた経験がなく、パートタイマーとしての経験はありましたが持病もあり、姉と兄は当時高校生ですぐに社会人になる年頃だったとはいえ、外で働ける特別な能力も体力もあるわけではないのに、急に女手ひとつで3人の子育てをしなければならなくなり、大変な苦労をしたことと思います。

おそらく毎日が必死・精一杯だったことでしょう。

そういった事情が大人になった今はとても理解できますし、だからこそよけいに感謝していますが、当時は私もまだ子どもですから、よく言えば放任とも言えますが、そもそもあまり関心を持たれないことに不満やさみしさを抱きながら過ごしていました。

自分が興味を持って習い事をした、将来のことを考えて進学したいという時も、親の都合や経済的な理由で通ることはなく、当時も子どもだったとはいえ、母の大変さも理解している一方で幼さ・若さによるそこで納得しきれないジレンマに悩まされ、母に心無いことを言ってしまっては、後でひとり泣くほど後悔したりと、家庭内の私はなかなか素直になれない、良い子どもではありませんでした。

一方、その家庭内で満たされない思いが、良い方向へと自分を変えたところもあります。両親が揃っていた頃の私は、根は明るくひょうきんなくせに、外では人見知りで初対面の人になかなか話しかけられない内弁慶でした。

それが母子家庭になった後、思春期に自分の家庭の事情による不満から、なるべく家に帰るより友人と過ごしたいという延長で、多くの友人と語り合ったり、相談に乗ったりするうちに、誰もが学校で見せている顔以外に様々な悩みがあり、色々な面がある多様性や、自分には発想もしないような感情や考えを知り、もともと本が好きで、現実体験以外にも様々な価値観を本に育ててもらっていたことと合わせて、世界がどんどん広がりました

【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】の中で、ミセス・パンプキンも述べていますが、本(この場合はとくに小説など物語のあるもの)というのは、現実が辛い時ほど、良い意味での現実逃避→現実の辛さが軽減という効果をもたらしてくれるので、高校生までに読んだ本の数は高校卒業後の同じ年数と比較して、比べものにならないくらいの読書量でした。

ですから、結局人というのはどんな環境で育っても、影響は確かに受けるものの、そこからどういう方向に解決していくは自分次第だと学び、その結果が今の自分なのだと思います。

確かに私が経済的な理由で諦めた道もありますが、その道への想いが本物で、どうしても叶えたいという“強い想い”があれば、部活をしないでアルバイトをしたり、新聞奨学生等になって叶える方法を選び、実行できたはずです。

それをしなかったということは、私の想いはその程度のものなのだということは、当時もわかっていました。

しかし、「特に何も目的がなくてもとりあえず大学に行く」ことができる裕福な家庭で育っている友人たちを羨ましく感じてしまうくらいには、まだ人として幼かったのです。

私とは逆に、そんな周りのことには見向きもせず、家庭環境に恵まれなくても“強い想い”を持ち、願いを叶えていった立派な方々の話を見たり聞いたり本で読んだりするたびに、自分の未熟さと彼らの立派さを尊敬する気持ちがあったことが、まだ私の救いかなと思います(笑)。

そんなわけで、自分の子ども時代に関しては、自分の未熟さの反省と、母と母の足りない部分を補おうとしてくれた姉への感謝しか残っていないのですが、それでももう少しこういう環境、または機会があれば、それこそ“強い想い”を子ども時代に持てたのでは?と残念に思うのが、広い視野を持てる環境・きっかけでした。

私が大人になってから発売された「13歳のハローワーク」が、私が13歳の時にあったなら。つい先日、兄が甥にプレゼントした「ミライの授業」があったなら。

「13歳のハローワーク」を読んで、世の中には幅広い職種があることを知るだけでも、価値観が大きく広がりますし、そのためにはどうしたらなりやすいかというヒントを読んで、その為に必要なことを調べ、努力したかもしれません。

「ミライの授業」には、「彼らが大人になるとき、全ての職業の半分以上が、現在は存在しない職業であるだろう」というようなことが書かれてありましたが、衝撃を受けつつも、確かに現代はそのくらいの早さで変化している時代だということを実感しました。

そこで、自分の子供には、自分と同じ後悔はさせたくない。という思いが自分が子どもの頃から強くあり、自分が子ども時代に経験した理不尽さや大人が理解してくれない子どもの気持ちは、大人になっても必ず覚えていようと誓いました。

そのおかげで、姉と甥っ子や姪っ子が揉めた際には、子どもたちと同じ目線で理解でき、仲裁できることもありました。

そして実際に自分も母となり、子どもの可能性を広げるには必要不可欠な経済的な問題はまだまだ解決できていませんが、私が唯一自慢できるのは、とても多様性に富み、人柄も素敵な友人が、日本中・世界中に幅広くいることなので、その友人たちと出会い、話を聞き、視野を広げる機会を、とくに小学生・中学生時代には積極的にもうけて、世の中には様々な職業があることや生き方の多様性を知り、自分で自分の進む道について考え、選択できるように育てたい。合わせて私の子ども時代にはなかった(あったとしても出会えなかった)良書があれば、与えたい。そのための基本の価値基準・人として大切なことを幼少期に伝えるのが親としての役目であり、責任だと思いながら子育てをしています。

そんな折に会社から提供された本の選択肢の中に【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】をみつけ、1ヶ月もない出勤日×15分で読み・まとめるには大変な本の厚さだということもうっかり考えず(笑)、選んでしまいました。

そんなわけで全4回で紹介できるのは前半部分のみとなりますが、よろしければ読んでみてください。本書にも書かれていますが、子育てには絶対解はありません。幅広い「育児成功パターン」から子どもの個性に合う教育方針を個別に選択することによって、子どもひとりひとりに合った育て方が出来上がるのだと思います。

第1章 「主体性」を最大限に伸ばす 自分を知り、自分で決められる力を育てる(概要)

自分で決めさせよう—「主体性の有無」は、出身大学と無関係

ミセス・パンプキンが日ごろから親しくされている一部上場企業の元部長さんは、「新入社員を多く教育してきたが、一を聞いて十を知る地頭のよさや社会人としての常識の有無と、出身大学のランクは驚くほど関係がない」とよく言われるそうです。

おそらく、そもそもの学歴が素晴らしい方々の中から毎年採用されるのでしょうが、実際に働き始めてみると学歴だけでは計れないヒューマンスキルの不足が露呈される人が多いのでしょう。

そういう意味では与えられた課題を解くことばかりではなく、自分で考える「主体性」をつくる教育がこれからますます重要になることでしょう。以下は第1章のまとめです。

「主体性」を最大限に伸ばす-チェックポイント


現在、子育て中の方は、ぜひ日頃の子育てを振り返って、確認してみてください。

チェックをつけられなかった箇所は後述の解説をぜひ読んでみてください。

  • 1.子どもに選択の自由を与え、主体的に決断させていますか?
  • 2.子どもに目標を設定させていますか?
  • 3.子どもの意思を尊重していますか?
  • 4.子どもにアドバイスを十分与えていますか?
  • 5.子どもに、適性を考慮した選択肢を与えていますか?
  • 6.過保護に育てていませんか?
  • 7.子どもの個性を尊重していますか?
  • 8.「迷惑をかけるな」とばかり唱えていませんか?
  • 9.子どもの自信を育んでいますか?

「主体性」を最大限に伸ばす-チェックポイント解説

自由に決めさせる

1. 自由を与え、自分を探させる

自由に決断させなければ、自分にとって何が大切で、自分は何が好きなのか見つけられません。結果的に、他人に決めてもらわなければ何も決められない、受け身の人間になってしまいます。

子どもを大胆に信じ、決定権を広く認めていくことが、自分の価値観(自分にとって何が大切で、自分は何が好きで、何をしたいのかという自己認識)を育むうえで非常に重要です。

2. 子どもに目標を設定させよう

親が上から目標を押しつけても、子どもは本気で頑張りません。
子どもが自分で目標を設定したときの頑張りは、まさに別人です。

辿りつきたくもないゴールに向けて自主的に努力する子どもはいません。
自分で目標を設定するとなによりも集中力が違います。

3. 進路に関し、子どもの意思を尊重せよ

危ういとはわかっていても、思い切って子どもに進路選択を任せること。
そして子どもに責任をとらせること。そうすることで、子どもは自分の将来について真剣に考え行動するようになります。

世間知らずで時代遅れの親が子どもの未来を邪魔することほど醜く、わだかまりを残すことはありません。進路など重要な決断に関して子どもの意思を尊重しないと、親子関係に大きな禍根を残します。

助けすぎず、サポートする

4. 自主性は尊重しても、アドバイスは十分与える

自主放任と、単なる放置は大きく異なります。
自主放任も度が過ぎれば単なる放置です。

親の経験や広い見識に基づくアドバイスがあれば、子どもは長期的に見てよい選択ができることも多くなります。親のアドバイスは、成人してから効いてくるものなので、細かいアドバイスはしなくても、方向性だけは強く助言しましょう。

子どもに夢や希望を吹き込むことは、広い視野をもたせることにつながり、子どもたちに「野心」をもってものを考えられるようにする手助けになります。子どもに言って聞かせたいことがあるときは、年齢をそれほど考慮する必要はありません。
聞いた時点では、伝えたかったことが全部理解できなくとも、輪郭だけ伝わることもありますし、後年思い出して納得できることもあります。何よりも、助言を後回しにするうちに、子どもに話してやる機会を逃してしまうことだけは、避けたいものです。

5. 選択肢を示し、最終選択は子どもに任せよ

情報収集は親のほうが何倍もできます。
「個性に応じた選択肢」を示してあげることが重要です。

選択肢を押しつけるのではなく、最後は子どもに選ばせましょう。
選択肢から選ばせてあげることは、子どもの判断力を養ういい訓練になります。

自分で選んだものなら、途中でやめたとしても、努力不足や責任感や慎重に判断することの重要さを教えることができます。

6. 過保護に育てない

失敗は「地頭」を鍛えるチャンスです。
「いろんな失敗」をする機会を大事にしましょう。

過保護の最大の問題は、失敗を通じて学ぶ機会を子どもから奪っている点です。
真の愛情とは厳しさを伴うもの。過保護は長期的に見て、子どもの成長力を著しく阻害します。

子どもをサポートすることと、過保護に陥ることと育児放棄のあいだにある絶妙なバランスを取るのも、親の大切な判断です。

自分らしさを育む

7. 個性を尊重する

協調性ばかり教えると、「ことなかれ主義」になる可能性が高くなります。

「時には“みんな”が間違っていることもある」「他人と違うことを恐れるな」としっかり教えていきましょう。周りと合わさせすぎず、「人と違っていい」と教えることで、周りに振り回されずに自分で考える強さが身につきます。

「自分の考えは何か」「自分は何をすべきか」を自分で決める習慣こそ、主体性の根本です。

8. 「人に迷惑をかけるな」より「役に立て」

最低限のマナーや礼儀を持つことは大切ですが、「迷惑をかけるな」ばかりだと、過度に慎重になり、子どもが萎縮して主体性が育ちません。あまり強調しすぎると、人を引きつける「大志」を育てられません。

大切なのは「迷惑を迷惑とも感じない人」を引き付けるほどの、社会に貢献するビジョンを持つことのように思います。

志の高い人は、大事の前では、他人への迷惑や犠牲などで足踏みすることはありません(程度はありますが)。逆に努力を惜しむ人ほど、小さい障害を理由に、もっともらしい理由をつけて何もしないものです。困ったときは助けを求めるのも勇気の一つですし、それこそ、「大人として自立するための条件」と言う人さえいます。迷惑をかけることを心配して何もしないよりは、迷惑をかける覚悟までもって動くべきときもあります。

誠実に生き、志が正しければ、不思議と迷惑を迷惑と思わずに協力してくれる人が周囲に集まるものです。そういう人には、大志を達成すること自体が恩返しになります。

9. 「小さいこと」から自信をつけさせる

どのような分野でもいいので、幼少期の子どもに自信を持たせることは、その後の長い人生全般にわたる自主性・積極性を育みます。

幼少期からスポーツや一芸に親しませることは、子どもをスポーツ好きにしたり、部活で活躍するきっかけになるという以上の大きな効果があります。

一つのことに打ち込み、継続し、上達することで自信と協調性を学び、主体性やリーダーシップの基礎が養われるのです。

何か一つでも「自分はできる」という自信が、他の分野での全般的な主体性や積極性に直結します。

第1章 「主体性」を最大限に伸ばす 自分を知り、自分で決められる力を育てる をまとめての感想

【4.自主性は尊重しても、アドバイスは十分与える】で書かれていることこそ、私がこの本を選んだ理由にも書いてあるとおり、欲しかったものなので、とても共感しましたし、自身の子どもにはできる限りのことをしたいと思います。

【6.過保護に育てない】の詳細な説明のところでは、ミセス・パンプキン自身の経験として「何ごとも自分でやらせるよりやってあげたほうが早いので、忙しさにかまけて、私は色んなことを代わりにやってしまった」という記述があります。
これは特に母親が男の子にやってしまいがちなパターンだと思います。

自分にもすでに思い当たる節があり、日々気を付けならなければと意識していますが、実際に社会人になっても自分の身の周りのことができなかったり、なんでも自分で調べず人を頼りがちな人は、男女問わずこのパターンだったのかもしれません。

【8.「人に迷惑をかけるな」より「役に立て」】もすごくいい発想だと共感しました。

子どもの叱り方については、人の目を気にするのではなく、この先長い人生の間に必要な、身につけなければならない最低限のマナーや礼儀は幼い頃から躾けなければならないと思っていますが、幼い子ども時代特有の伸び伸びしたところまで萎縮させたくはないので、そのバランスや、叱ったあとに反省したり、改善できたことを十分に認めて褒めることを心がけています。

それはそのまま【9. 「小さいこと」から自信をつけさせる】につながるところもあり、些細なことでもできたら、褒める。かといってできなくても責めるのではなく、できるようになるヒントを出したり、「今日は調子が悪いからまたあらためよう」と気分を換えたり、子ども自身が「できな~い」とグズったときは、「大丈夫。●●●(子どもの名前)はできるよ。」と、なるべく否定的な言葉を使わないよう促しています。

そこには子ども自身にもマイナスな言葉をなるべく使わずに前向きに考えられる習慣が自然身に着いてほしいという想いと、「母親はいつも自分の可能性を信じてくれている」という安心感を与えたいという想いを込めています。

まだ幼児なので、1~9全てを実践するには早い部分もあるので、まずは自分が行っていてこの方向で間違いないなと思うことや、参考にしたい項目を実践しつつ、成長段階に合わせて他のポイントも思い返したいと思います。

この後、第2章~4章まで続きますが、その感想を待たずに読みたい!と思った方はコチラからどうぞ。

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