10月の読書は【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】②

前回、10月の読書は【一流の育て方-ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる】①というタイトルで、この本を選んだ理由や著者の紹介と第1章の「主体性」を最大限に伸ばす 自分を知り、自分で決められる力を育てる について書きましたが、今回は第2章「視野」を広げ、天職に導く 選択肢を増やし、得意分野に進ませる について簡潔にご紹介したいと思います。

この本を選んだ理由や、著者の紹介と第1章の「主体性」を最大限に伸ばす 自分を知り、自分で決められる力を育てる については前回の記事をご覧ください。

第2章「視野」を広げ、天職に導く 選択肢を増やし、得意分野に進ませる(概要)

第2章の冒頭で、ムーギー・キム氏が、以前働いていた外資系の金融機関の最初の上司が語ってくれた言葉を紹介しています。それが、
「視野が広がったことが、MBAに行って一番よかったことだよ」
この言葉だけでも、第2章で著者のお二人が言いたいことが集約されてると感じる一文です。本書にも、【人間関係の広がりは、そのまま視野の広がりに直結する】と書かれていますが、私自身の経験からも、とても共感できる理論だと感じました。「視野を広げて、天職を見つけさせる」という教育は、親が子どもにできる最も貴重な教育の一つです。若いころから視野が広く、自分の好き嫌い、強みと弱み、価値観を理解できている人は、将来の職業選択において天職に近づきやすく、これに対し受験勉強だけしてきた偏差値エリートは視野も狭く自分への理解も浅いので、自分の適性をまったく無視した分野に進み、いつまでも迷走しがちです。肝心なのは、視野を広げてなんでもかんでも挑戦させ、中途半端にたくさんできる子に育てるのではなく、自分は何が好きで、何に才能があり、どの分野なら競争に勝てるのかに気付かせ、その道に進む道筋をつけてあげることです。

以下は第2章のまとめです。

「視野」を広げ、天職に導く-チェックポイント

現在、子育て中の方は、ぜひ日頃の子育てを振り返って、確認してみてください。
チェックをつけられなかった箇所は後述の解説をぜひ読んでみてください。

  • 1.子どもの視野を広げてあげていますか?
  • 2.読書の習慣は身についていますか?
  • 3.子どもが興味を持った分野の本を自由に読ませてあげていますか?
  • 4.子どもの視野を世界に広げてあげていますか?
  • 5.子どもが興味を抱いたことに関して、それを伸ばす支援をしてあげられていますか?
  • 6.子どもの天性を見出し、磨いてあげていますか?

「視野」を広げ、天職に導く-チェックポイント解説

視野を広げる

1.視野を広げ、知的好奇心を刺激する

子どもが自分で学ぶことの楽しさや知的充足感を覚えると、その後は放っておいても自発的に学び、自律的に成長していくものです。知的好奇心を刺激し、知的な充足感を感じさせてあげましょう。自由に育てるだけでは、子どもが視野狭窄に陥る危険性があります。親の努力が子どもの視野の広さを決めると言っても過言ではないでしょう。視野を広げるには「良質な読書に親しむこと」「知的な刺激を与えてくれる友人や恩師と出会うこと」が必要です。

2.読書で知見を広め、学習習慣を身につけさせる

世界で活躍する一流の人たちの共通点として、読書により、文章読解力の基礎が形成され、視野も広がり、主体的に物事を考えることができるようになったと実感している方が非常に多いです。本がさまざまな世界との出会いを生み「どれだけ活字に触れたか」が一生を左右するとも言えます。実生活ではなかなか出会えない素晴らしい人と、家に居ながらにして時代や空間を超えて、本を通して出会えることも、読書の魅力の一つです。読書の習慣さえ身につけさせれば、自主的に視野を広げ、自然と学習習慣を身につけていくものです。

3.「好きな本」で読書を習慣化させる

大人から見ればどんなにつまらない本であろうと、活字に親しみ本を楽しむという原体験を子どもに与えること自体が大切です。好奇心を抑制せず、子どもが読みたい本は読ませましょう。純粋な心を持っている時期に、興味がわいた名作や偉人伝に親しむことは、人生で何人もの友や師と巡り合うようなものです。

4.世界に視野を広げる

広い世界観は、子どもの大きな財産になります。豊かな世界観は、相手がどこの国の人であろうと、関係をつくるときに、欠かせない財産です。多様な視点と価値観に触れさせ、子どもの活動範囲を自然に世界に広げてあげたいものです。

天職への道を開く

5.「自分から興味を持ったこと」を応援する

子どもは自分の興味を追求する過程で責任感や自主性など、多くの力を身につけていきます。好きなものに夢中になる過程で「積極性」が生まれていくのです。子どもが自分から興味を持ったり夢中になった対象が、学校の教科や習い事とは直接関係のないことでも、親は大いに歓迎するべきです。嫌でもしなくてはならないことがたくさんあるのが人生ですから、子どもが興味を持ったこと、自分からやりたがるようなことは、どんどん体験させてあげましょう。また、子ども時代に興味を持ったことを、親が惜しみなく応援してくれたことへの感謝を大人になっても感じている一流の人たちは非常に多いです。

6.才能の種を見つけて「原石」を磨く

好きなことを追求し続けられることほど幸せな人生はありません。有名なアーティストやアスリートの後ろには親の努力があり、親子での二人三脚の歩みが、子どもの天職に結びついている場合が多いものです。自分が好きなことをやって食べていけるようになるには、若いころに豊富な情報に触れる中で、自分は何が好きで、何が強みで、何が弱みなのか、つまるところ「自分を知る」ことが大切です。幸福な人生の大切な基本は、周りがうらやましがる仕事をすることではありません。視野を広げ、自分と世界を知り、自分がやっていて楽しく、好きで、それでいて周りに喜ばれる仕事をすることです。

第2章「視野」を広げ、天職に導く 選択肢を増やし、得意分野に進ませる をまとめての感想

【1.視野を広げ、知的好奇心を刺激する】の詳細な説明の中で、最も印象的で私自身も共感したのは、アンケートに回答された方たちから多く寄せられたという「高校や大学で、自分が知らなかった世界を経験してきた学友に会って初めて知ったことに対して、『自分もそのような世界を知っていたかった』という感想です。私の場合は学生時代よりも、大人になり、上京してから出会った友人たちの教養の豊かさや経験を聞き、憧れを抱くとともに、自分はもっともっと様々なことを学ばなければならないと感じました。そういった経験や知識が子どもの頃から身近にあり、本で得た知識だけでは埋められない実体験があるかないかは大きな差だと感じました。その経験を踏まえて、自分の子どもには今住んでる土地では実感しづらいことも、実際に足を運んだり、自分とは遠い話ではなく、延長上にあることだと広い視野で伝えていきたいと感じています。

【3.「好きな本」で読書を習慣化させる】の中で、ミセス・パンプキン自身の経験として書かれている「精神的につらいときほど、眠る時間を削って大好きな歴史小説に没頭する習慣がついた。小説を読んでいると、自分が不幸だと感じていることも、とてもちっぽけなものに思えてくる。本から得た感動や教訓がなかったら、どれほどつまらない人生だったかと想像することもある」という一節にも、とても共感しました。前回の記事にも書きましたが、私も現実の辛さを読書で紛らわせたり、救われた経験があるので、読書の習慣は学習と結びつかなくても、他人の立場や心を理解したり、自分にはない発想を知る等、生きてく上で欠かせないことだと思います。

【4. 世界に視野を広げる】の詳細な説明のところでは、ミセス・パンプキン自身の経験として、フランスで息子さんの友人を招いてホームパーティーを開き、10回で合計80か国・120人と歓談したことがあるそうですが、その結果「おいしいものはどの国の人にとってもおいしい。おいしいものを囲んで会話を楽しむパーティーで人がみなハッピーになるのに、国境はありません。国境を越えてお近づきになれる手っとり早い方法」と述べています。また、他の家庭の紹介で、「子どもの視野を世界に広げるために、世界中のガイドブックを常にリビングに置いておくことにより、子どもたちは自然と海外文化に親しみを持つようになり、世界と日本の歴史に詳しく、勉強好きな子どもに育った」というのも自然に世界に興味を持たせるきっかけとして良い方法だと感じました。その他に、遊びや旅を通じて多様な経験を積ませ、頭でっかちでない、地に足が着いた考え方と広い視野を持たせることに家庭教育の重点を置くという点には強く共感しました。私も記憶に残る・残らないに関わらず、様々な刺激を与えたいという意味でも、子どもが幼い頃から旅行や遊びに出かけることは心がけています。そして様々な国の人と出会い、触れ合ってきたミセス・パンプキンが「地域特有の伝統や風習はそれぞれにまったく違い、一つの尺度でどの民族が優秀だとか劣っているといった考え方をすること自体がナンセンスだと感じます。」という言葉もとても印象に残り、世界中みんながこのような視点を持てたなら、世界はもっと平和になるだろうと感じました。

今回の記事は、第2章の概要と読書感想でしたが、全7章から成る7大方針55か条が気になる!と思った方はコチラからどうぞ。

「読書習慣のある会社がいいな」と思われた方は、ぜひ当社が掲げているミッションも読んでみてください。

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