昨年(2023年)の後半(8~11月くらい)、エレメントでは『ちゃんとやろうよ!』って言葉が流行った。
業績があがり、毎月の収益が安定してきたタイミングで、エレメントは人材育成が最も重要であり、マーケターを生み出していくことが、あらゆる指標よりも重要であると考え、これまでの様々な優先事項よりも、採用と育成、その環境、仕組みづくりを上位に据えた。
そうして、クライアントのプロジェクト業務の仕事量に必要な人数以上に人を増やした。
上場している有名マーケティング会社でも、実は人材育成や評価の仕組みがなかったり、あっても働いている人たちの多くが不満を持っているというのが ”ほとんど” の企業人事の現状というものだ。
「頭のいい人たちは、評価制度や、人事制度がしっかりとしたところを選ぶものだ!」なんて、巷では言われているが、調べてみるとイメージと現実は全く違った。
某有名HR系上場企業など、様々な企業の人事、評価制度を調べてみても、100%の企業で従業員に不満や強い改善要望があった。
経営の神様 稲盛さんの書籍に至っては、全員が納得する人事制度なんて存在しない!とさえ言っている。
では、新卒に選ばれる大企業の満足度の高い人事、評価制度ってなんなんだ?!
わかったことは、大部分はただのイメージだ。(みーんな、イメージで就職している・・・)
マネジメント系の書籍を読み漁り、有名企業のコンサルに聞いてみたが、人事の完璧なスキームは存在しないが、ないよりはマシだ、というのがわたしの学んだうえでの見解である。
さらにこの見解の肝は【ビジョンによる徹底した人選び】の上で、売上規模を想定した事業を行うこと。という、わたしのコアバリューがある。
つまり、【ただ儲かる会社をつくる】のではなく、【卓越性が高く永続するような素晴らしい企業を創る】ために、判断基準を持つということです。
そんな前提であれこれ考えて、これは、またいつものベンチャーあるあるの、『走りながら考える』だな、と覚悟して人材を増やした。
会社として未熟であるし、頭のいい、仕事のできる奴らは、こういった会社は避ける可能性が【今は】高いであろうことを。
でも、創業者である私は、そんな良いトコどりが出来てしまう頭の良い彼らが見えていないものも見えていた。
そういう苦労に責任を持つ人間こそが本当にこの時期には必要だということ。
そして、長期的にみても、関わる人に尽せる人、会社、公共の目的に尽くせる人、
金のために働く動機よりも遥かに責任感があり、自ら学び、本当の戦力となるビジョナリーであり、【戦友】になれる数少ない貴重な人材を採用したかったのである。
そして、昨年からさらに増員し始めた。
が、そんな状況の時、社長だけでなく、育成を任されたディレクターからも出てくるようになった言葉が
『ちゃんとやろうよ』だった。
もちろん、みんな真剣に仕事をしている。
一生懸命やっている。
でも、お互いに〖ちゃんとやろうよ〗って言葉が出てくる。
大企業の人に聞いてもどうやらしょっちゅう〖ちゃんとやろうよ〗って言っている。結局、素晴らしい仕事をやる【成果をあげる】には、どうすればいいのか?という話だが、
この経験で、成果を上げるうえで、いくつか大事なポイントが言語化できるようになったので共有したい。
1つは、企業の人事評価などの仕組みはとても重要である(あえて(笑))
仕組みというのは大企業にある人事、評価制度そのものや、人事コンサルが売りまくっているスキームではなく、お互いに考えて仕事の成果をあげるフレームや共通言語のような環境というか、道具のようなものである。
つまり、共通言語、言い換えて道具に近いものは、持っているからと言ってそれを上手く扱えるかどうかはまた別のことなのだが、自立して働くための強力な構造になるのである。
たぶん、組織構造なんて考える必要がない一般の人からするとワケワカメな事を言っているように思われるかもしれないが、
これを読むと、仕事の質も上がるし、何より、一緒に協働する仲間とより素晴らしい仕事が出来るようになる。
仕事できる人、仕事出来ない人って、【この、ちゃんとやる】の違いがある。ってわかる。
だから、これは仲間選びの基準にもなるし、会社でコアバリューを作るときの参考にもなります。
まず、ビジネスで使う【ちゃんとやる】の解説 【ちゃんと】とは、
正確に
適切に
明確に
誤りがないように
間違わないように
どんな言い方でも構わないが、ステイクホルダー(お客様や上司や同僚など関わる人たち)に納得していただけるだけの価値がある成果を提供している状態を、ちゃんとやる と、言う。
もちろん、『単純に、ちゃんとやる』って言葉の意味だけを伝えるのではなく、ここで大きな問題として、読者の皆さんが考えているであろう、何度言っても、ちゃんと出来ないのはなぜか?・・・原因と、ちゃんとやる方法についてもお話ししたいと思います。
前提として、【ちゃんとやる】は結構、細かいし、面倒くさいもの・・・だから・・・
同じ言葉でも、解釈や行動、1人1人が生み出す結果にズレが生じるものです。
仕事では、どのレベルで、【ちゃんと】なのかは、同じ体験を共有してはじめて一致します。だから、同じ経験を積み上げるまでは、どうしようもなく、【ちゃんとやろうよ】って無くすことは不可能に近い。
(バカの壁や、言語ゲームなどの本がこの手の話の参考になります。)
会社の成果は、この1人1人の小さな【ちゃんとやる】が積み重なって生まれます。
1人1人の【ちゃんとやる】が、会社の評判や、卓越性、1人1人の仕事の価値、ひいてはキャリアや給与と直結しています。
しかし、これらは、【わかっちゃいるけど】【ちゃんと理解されていません】
これが、【ちゃんとやる】の理解の第1歩です。
仕事の小さなディテールや積み重ねとは・・・
業種によっては、
ちょっとした気遣いや態度、
相手への確認やホウレンソウ、
仕事の期限や約束を守ること、
毎日の日報や振返り、
細かくてどうでもいいような、デザインや間の取り方、
普段の会話ではどうでもいいような、文章の仕上げや面白さの追求、
そして、それらの事例の学びや、比較検討や調査分析などなどの事前準備・・・などなど
が、ちゃんとした仕事なのか、普通以下のちゃんとしてない仕事なのかの違いになることを
【わかっちゃいるけど】
【ちゃんと理解して実行できないこと】があります。
そして、それ以上に重要なこととして、、、
【それらを、なんとなくそのままにしてしまう人】がちゃんとやる仕事を阻むことを理解しなくてはディテールは良くならない。
要は、ちゃんとやるには、1人1人がお節介じゃなきゃいけない。
ちょっとした気遣いや態度、ちょっとした仕事の仕上げ方、ちょっとした期限や約束の守り方、【すべては成果をあげるため】のものですが、自分の小さな習慣を変えてまで、ちゃんとやろうとする人はとても少ない。
なぜか。それは「慣れてないから、めんどくさい」が一番でしょう。
だから、仕事というのは、少しづつ慣れてもらったり、経験を積んでいく必要があるのかもしれません。
しかし、慣れたり、経験を積めず、なかなかちゃんと出来ない人がいる。
それは、実は成果よりも個人的に大切な〖何か〗を優先させる人か、ちゃんとやる!ために、大切な次の2つの要素が欠けているかです。
【ちゃんとやる】ための要素①:成果の定義を明確にする
なによりも、まず、成果を明確に定義して、その成果をあげる約束をすることが、一緒に仕事をする1歩目です。
【成果の定義を明確に出来ているかどうか】が、ちゃんとやる要素の①になります。
ライターなら、①決まった期限に、②決まった本数を、③決まったクオリティで納品して、④一定以上のPVを上げ、⑤ステイクホルダー(クライアントやディレクターなど)を納得させるPV・CVに繋がっていることが、ライターの最低限の成果です。
この①~⑤までを、揃えてはじめて、成果をあげた。となりますので、これに必要なことはなんでも自ら考えて実行するのがライターの最低限の仕事です。
期限を守るのも、
決まった本数を出すのも、
求められるクオリティに達するのも、
一定以上のPV成果を上げるのも、
ステイクホルダーに納得されるのも、
いずれか1つでも欠ければ、【成果は上げられていない】となることを明確にし共有することです。
ディレクターでも、デザイナーでも、エンジニアでも
働く人たち全員に求められる成果と、成果となるディテールがある。
それぞれの成果とディテールを明確にせず、最終的に求められる仕事の成果に対しての責任も果たせず、なんとなくそのままにしてしまう人には卓越した仕事は決してできません。
成果を明確にして共有するのは、全員の責任です。
与えられたもの(思考しないただの作業のみ)しか、実行できない人はプロではありません。知識労働者に求められる仕事の成果は、与えられているものの機械的な提供ではありません。
あなたが与えられたものに、【あなたの価値を与えた付加価値】に価値があるのです。
ゆえに、与えられたことをただこなすのではなく、あなたが、考えて、工夫して、成長して、付加価値を次の人に渡すことが、知識労働です。
与えられたものを横流しするのは、マイナス以下です。
まー、たまに、そういう付加価値をメンドクサイって考えている人がいるけど、そういう人は、がちがちのルールと、徹底した管理、監視などのもと、時間を切り売りする仕事しかできません。
が、エレメントではそんな、つまらない仕事はしたくないので、はじめからそういう育成が必要な人は一緒に働かないようにしています。
知識労働者は、成果を達成する前に、成果を明確に定義して付加価値を提供することが責任です。
【ちゃんとやる】為の要素②:責任感こそ、ちゃんとやるの原点
先ほどライターなら、①決まった期限に、②決まった本数を、③決まったクオリティで納品して、④一定以上のPVを上げ、⑤ステイクホルダー(クライアントやディレクターなど)を納得させるという成果の定義が最低限必要だと書きましたが、
その成果をあげるために、
A:高速でライティング出来るようにライティング術を学んだり、
B:SEO検索上位記事の調査分析を行ったり、
C:ユーザーニーズを探るために、現地調査したり、
D:決められた規定の記事以外にSEOの準備をテストするABテスト記事を作成したり、
などなど、その人のレベルにあった出来る限りのことを行わないといけないのですが、1人1人の知識や実力、実行力が違うため、これらをすべてマニュアルにしたり、決まりごとにすることは難しいです。
では、どうやって成果を上げるためにA:B:C・・・などを学んだり、思いついて実行していくのか
それは【責任感】です。
明確になった成果をあげるためにどんなことでも自ら考えてやるという責任感です。
【ちゃんとやる】には、なにより【成果を明確にして、成果をあげることへの責任を持つ】ことが重要です。
結局、成果を上げている人は、自分の習慣にない苦手なことであろうと、嫌なことだろうと、
言われていないことであろうと、決まっていないことであろうと、
成果を上げることにとことん向き合い【学んだり、受け入れたり・努力したり・成長・変化することで】成果をあげるのです。
つまり、成果をあげるということで、自分のエゴや、やりたいこと、やりたくないことよりも上位に、責任感があるかどうかなのです。
エレメントでは、集客や売上UPの結果を出すことに徹底してこだわるということです。そのために必要なことはどんなことでも自分で考えて実行することが求められます。
学ぶことだって、自分で出来る限り考えて、【自分のやりたいこと、好きなことだけ、知っていることだけ】ではなく、【結果の出ること】を徹底して実行できるかどうかです。
今やっている方法で上手く行かないなら、せめて違うやり方を学んだり、変えたりしなくてはいけない。ということが出来ない人がいます。
結果の出ない自分のこだわりに依存するのは、貢献からとても離れた思考です。
【この人は、必ず結果を出す人だ。】と言われる人は、
その理由は、【結果に必要なことはどんなことでも自分でやる人】
だから、【あ~、この人は本当に責任感が強い人なんだ!】
そう言われることが、仕事の【ちゃんとやる】なんです。
まず、ちゃんとやろうよ!それは何よりも自分の為
仕事がつまんない理由、会社をやめる理由の多くは、成果の定義が間違っていることと、責任感の欠如 この2点に集約される場合がほとんどです。
【ちゃんとやろうよ】って、自分の成果をしっかり定義したうえで、ちゃんと責任感持って仕事しようよってことです。
実はこの2つが共有できていなくて、方向性の違いだとか、この会社は面白くないだとか、上司の態度がキツくて嫌になっただとかの不満になっている場合がほとんどです。
上司の態度がきつくなった、
(責任感を感じない行動だから上司がイライラしていることってすごく多い)
周りは自分を支持してくれない、
(会社のせい、上司のせい、人のせいと言い訳して、他責思考がみんなにバレていませんか?)
そんな感想を持つ前に、自問してほしい
- 自分の成果は何か、明確に答えられるか?
- 成果を周りの人と共有できて、支持されているか?
- 自分は成果を上げるために責任を持っているか?
- 責任を果たすために自ら学んだり成長しているか?
- これらを1つ1つ、自らコミュニケーションとって確認しているか?
と。
【成果を明確に定義できていないこと】と、【責任感の欠如】によって、成果があげられず、お互いイライラが重なったり、この人には何度言ってもダメだ!と諦めたり、小さなガッカリの積み重ねで無関心となったり、埋めがたい溝をつくってしまう場面をわたしは多く見てきました。
この2点は、大きなキャリアの転換点になることですから必ず押さえてほしいポイントです。
まとめ
『ちゃんとやろうよ』って、言う方も、言われる方も、まず、仕事の成果をもう一度確かめてください。
成果をあげる・・・期限は?量は?質は?クオリティは?ステイクホルダーは?最低限は?目標は?その先の価値は?
成果の定義をしっかり決めましょう。
そして、責任感がある人と働きましょう。責任感がない人に、後から責任感を持たせることは無理ですし、そんなことを考えていることは無駄です。
だって、あなたがお客さんの立場だったら、仕事をお願いする会社に責任感の無い人がゴロゴロいて、責任感のない人に責任感を持たせる育成費用も含まれたお金を払いたいとは思わないですよね?
貴方は、責任感がある人材が提供する、素晴らしい仕事、より良いサービスに対してお金を払いますよね?
責任感がある人は自主的にすごく勉強します。そして、周りのせいや、環境のせいにすることは一切せず、小さな子供がいようが、会社の仕組みやルールがなかろうが関係なく頑張って結果を出します。
だから、はじめから責任感がある人を採用することにこだわりましょう。
もし、責任感がない人が居たら、チームから離れてもらうようにしましょう。それをなんとなく、わかっちゃいるけどそのままにするということは、無責任です。
無駄に高い金額をクライアントに請求することになります。
クライアントや責任感ある仲間をがっかりさせることが無駄に増えます。
素晴らしいクライアント、素晴らしい人材はどんどん離れて、無責任な人ばかりの会社になります。
そういうことはすぐに結果がでませんが、わかっていても、なぁなぁにし続ければ、会社は倒産するリスクがどんどん高まります。倒産すればさらに多くの人に迷惑をかけてしまいます。
だから、責任感がない人は排除されるようにすることが、会社の一番の責任です。
もし、また、ちゃんとやるって言葉を耳にしたら、上記に書いてあることもセットになるんだと思い出してくれれば幸いです。
【なにをするか】よりも【誰と働くか】を重視せよ!
結局、いい職場、自分にあった仕事、そして、ちゃんとした仕事するってことで、一番大事なことは、こういった価値観が合う人がいるかどうかです。
エレメントでは、自分のキャリアや、金銭的な報酬を何よりも気にしている人よりも、最高の仕事をしたい。最高の仲間に囲まれて自分もそれに恥じない仕事をしたい。
そういった考え方が、自分の望む素晴らしいキャリアや見合った報酬になると考える人がエレメントには集まって成長しているように感じます。
目先のお金を稼ぐよりも、自分の成長や人生を豊かにする仲間づくりこそが大切なんだと考えられる人が集まると、それは毎日が輝くような日々になります。。
この記事を読んで、「ちゃんとやる人」と一緒に働きたいと感じた方は、1度エレメントの無料講座や勉強会に参加してみてください。
【なにをするか】よりも【誰と働くか】・・・きっと、この意味が伝わると思います。
求人情報はこちら今日はそんな、ちゃんとやるって、話で、成果の定義と責任感の2点が重要だというお話でした。
エレメントのコアバリュー「価値創造」とは?成果を出す仕事の本質がここにある と、合わせて読んでいただくと、エレメントで仕事するうえで、価値観や仕事の考え方で迷うことが無くなると思います。