WEBマーケティングにおいて、ただ闇雲にブログを書いたり、広告を出したりしても、期待する成果はなかなか得られません。重要なのは、その手前にある「戦略設計」です。
私たち株式会社エレメントでは、お客様の成果を最大化するために、徹底した戦略設計を行っています。
今回は、実際に社内で実践しているマーケティングの設計プロセスの一部を、具体的な考え方とともに公開します。
「戦略と戦術の違い」から「ターゲット設定」「価値の言語化」まで、Web集客を成功させるためのロードマップとしてぜひご覧ください。
「戦略」と「戦術」の違い、明確に答えられますか?
マーケティングの現場では「目的」「目標」「戦略」「戦術」といった言葉が飛び交いますが、それぞれの定義が曖昧なまま進めてしまうケースが少なくありません。
私たちは、目的から戦術までの落とし込みは、以下のように定義を共通化してプロジェクトを進めています。

- 目的: 達成すべき使命、企業の成し遂げたいこと
- 目標: 目的を達成するための経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)をどんな的(ターゲット)に投入するか
- 戦略: 目標を達成するための資源配分の選択〜なにをどこに集中させるか「何をやらないか」を決めること
- 戦術: 戦略遂行させるための具体的な行動プラン、実際に行うこと
ここで押さえておくべきは、施策を進めるうえで、多くの人が「どうやって売るか(戦術)」に意識が行きがちです。
しかし、「どこで戦うか(戦略)」が決まっていない状態で戦術に走っても、資源を浪費するだけです。
企業は「どう戦うか(戦術)」の前に、「どこで戦うか(戦略)」を正しく見定めることが何より大切です。
もっとシンプルに「誰に・何を・どうやって」で考える

さらにわかりやすく、マーケティング視点で言葉を置き換えると、私たちは以下のように整理しています。
- 目標 = 誰に(Who): 企業の真の見込み客は誰なのか
- 戦略 = 何を(What): 企業の持つ価値のどの部分を訴求するか
- 戦術 = どうやって(How): 見込み客に価値をどう届けるか
「良い戦略」とは、やることとやらないことを明確に区別し、資源配分を最適化することです。
私たちは時に、お客様に対しても「あれもこれもやりたい」という要望に対し、「目的達成のためには、今はこれに集中しましょう」と、捨てる勇気を持った提案も行っています。
カテゴリーの支配:「◯◯といえば自社」のポジションを築く

戦略を考える上で、消費者の心理プロセスを理解する必要があります。消費者は、まず「カテゴリー」を思い浮かべ、その次に「ブランド」を選択します。
たとえば「お腹が空いたからラーメンを食べよう(カテゴリー)」と考えたとき、真っ先に頭に浮かぶ「あのお店(ブランド)」にならなければ、提供している商品・サービスが選ばれる土俵にすら上がれません。
私たちが支援したある北海道の食品卸売業の事例を挙げると、単に「野菜を売る」という広いカテゴリーではなく、「北海道の希少な食材、こだわりの農家の情報をワンストップで提供するパートナー」という独自のポジションを定義しました。
「北海道の珍しい野菜を探すなら、まずはこの会社のサイトを見よう」
ターゲットの頭の中に、この訴求を刷り込みブレないこと。この設計ができて初めて、WEBサイトのコンテンツは力を持ち始めます。
誰に届けるか?ペルソナ設定は「妄想」ではなく「リアル」で
さらに、戦略を決める上で最も重要なキーとなるのが「誰に(Target)」届けるかです。
先ほどの「食品卸売業」のお客様の事例では、漠然と「飲食店」をターゲットにするのではなく、以下のように解像度を上げました。
- メイン層: 食材へのこだわり、独自のメニュー開発に熱心な料理人・オーナーシェフ
このターゲット選定において私たちが大切にしているのは、「机上の空論で終わらせない」ことです。
徹底したヒアリングとデータの裏付け
ターゲットを決める際には、経営者の「こう売りたい」という想いだけでなく、現場のリアルな声を拾います。
- 徹底したヒアリング: 現場でのお客さんとの対話を身近に行っている営業担当者には「どんなお客様が一番喜んでくれているか」「どんな要望を伺うことが多いか」を聞き込み、さらにクライアントのその先のお客様へも、「どうしてその会社(クライアント自社)を選んでくれたのか」を徹底的に聞き取ります。
- データによる裏付け: 実際の検索データからの抽出や、これまでの顧客データを活用し、自社のターゲット層が実際にどのようなキーワードで検索しているか、どのような悩みを持っているか(カスタマージャーニー)を洗い出します。
ここまでのヒアリングから調査を行っていくと「経営者がターゲットだと思っている層」と「Webで実際に集客できる層(または利益率が高い層)」にズレがあることもあります。
そのズレを修正し、最も勝率の高いターゲットを見極めることが、私たちの役割でもあります。
競合を知り、自社の「勝ち筋」を見つける
ターゲットが決まったら、次は競合調査です。
お客様が競合だと感じている企業や、WEBマーケティングの視点から検索エンジン上で上位に表示されるサイトをピックアップし、徹底的に比較します。
ここで見るべきポイントは2つあります。

POP(Points of Parity): その業界で戦うために最低限必要な要素
・例:食品卸売なら「商品の品質」「配送の正確さ」「適正価格」など。
POD(Points of Difference): 自社だけが提供できる差別化要因
・例:「希少野菜の取り扱い」「小ロットなどの柔軟な対応」「加工場の有無」など。
競合他社が「価格の安さ」を売りにしている中で、同じ土俵で戦うのか、それとも「品質と提案力」で戦うのか。
他社のサイトがどのような訴求をしているかを分析した上で、「自社が勝てるポジション(強み)」を明確にします。
今回の事例では、食品卸における「安売り競争」から脱却し、「生産者の思いをのせた付加価値を届けきる」というポジションを確立することで、価格競争に巻き込まれないブランド価値を訴求することに成功しました。
「強み」を「ベネフィット」に言語化する
競合との分析により、自社の強み(価値)が明確になっても、それをそのまま伝えただけではユーザーにはなかなか響きません。
企業側の「言いたい・伝えたいこと」を、ユーザーである受け取る側にとって「嬉しいこと(ベネフィット・便益)」に置き換えて言語化する必要があります。
実際に私たちがWebサイトのコンテンツを作る際に行っている言語化の一例を見てみましょう。
| 自社の提供価値 | ユーザーへのベネフィット |
|---|---|
| 珍しい野菜・希少な野菜の提案 | 料理人の創造性を刺激し、他店にはない差別化された新メニュー開発につながる。 |
| 0.5日分からの小ロット発注に対応 | 在庫リスクを抱えずに、常に新鮮な食材だけをお客様に提供できる。 |
このように、「その強みに伴う機能があることで、ユーザーの悩みはどう解決されるのか? どんな良い未来が待っているのか?」という視点で言葉を紡ぐことが、問い合わせ率(コンバージョン)を高める鍵となります。
戦略から戦術へ:Webサイトとコンテンツへの落とし込み

ここまで設計できて初めて、具体的な「戦術」であるWebサイト制作やコンテンツライティングに入ります。
- サイト設計: ターゲットが知りたい情報を、迷わずに辿り着ける動線(CV設計)にする。
- キーワード選定: ローカル的な「地域名 + 業種」だけでなく、全国のターゲットが検索しそうな「課題解決型」のキーワードも狙う。
- コンテンツSEO: 「野菜の目利き」「旬の食材」など、プロならではの視点を発信するブログ記事を計画する。
戦略に基づいたWebサイトリニューアルとコンテンツ発信を行った結果、これまでは営業エリア内からしか問い合わせがなかった企業に、大阪や静岡といった遠方の県外から「あなたの会社の野菜を使いたい」という指名に近い問い合わせが入るようになりました。
これは、エリアという枠を超えて、「価値」で選ばれるようになった証拠です。
まとめ
WEBマーケティングは、ただ情報発信をするだけではありません。「誰に、何を、どう届けるか」という戦略の設計図がしっかり描けていれば、Webサイトは24時間365日働く優秀な営業マンになります。
エレメントでは、このような戦略設計のプロセスを大切にしながら、お客様一社一社に合わせたWebマーケティングを支援しています。「Web集客を始めたいが、何から手をつけていいかわからない」という方は、まずは自社の「戦略」を見直すところから始めてみませんか?
