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【チーズの店コンテ・工藤代表】いいものを売るだけではお客さんは来ない!?「人にフォーカス」する店づくりが大事な理由とは。

【チーズの店コンテ・工藤代表】いいものを売るだけではお客さんは来ない!?「人にフォーカス」する店づくりが大事な理由とは。

リピートの絶えない円山のチーズ店

チーズの店コンテ・工藤代表

2023年8月17日にエレメントの講座「あなヒラ北海道」が開催されました。

今回のゲストは札幌市中央区円山にあるチーズとワインのお店「コンテ」を営む工藤さん。

リピートの絶えない円山のチーズ店

90年代初頭のススキノは、まだまだイタリアンが進出していなかった頃ですが、そんな時代からイタリアンに携わってきた工藤さんは、筋金入りのワイン好き。ワイン好きが高じて、いまではチーズのスペシャリストに。

いまでは道外のお客様も多いのだとか。なぜ円山のチーズ店に、全国からお客様が!?その秘密は、お客様をワクワクさせる店づくりの取り組みでした。

リピートの絶えない円山のチーズ店

「いいものを売ればお客様は来る!」はずだった……

今回のテーマは、顧客をファンにしてリピーターに育てる実践について。

工藤さんは、お客様を“ワクワク”させるアイデアで店舗体験の価値を高め、新規顧客をファンにする店づくりを行っています。

開業当初は、「いい商品さえ売っていればお客はくる!」と信じていたのですが、現実はそう甘くありませんでした。一向に売上は伸びず、すぐに苦境に陥ることに……。

選ばれる理由をつくるには、お客様をワクワクさせろ!

工藤さんはあるとき、マーケターの小阪裕司さんが主催する【ワクワクマーケティング実践会】に参加しました。

小阪さんといえば、『「顧客消滅時代」のマーケティング』や『「価格上昇時代」のマーケティング』の著書で知られています。実はわたしたちエレメントも、小阪さんの大ファンです。

さて【ワクワクマーケティング実践会】は、会員たちが、お客さんを喜ばせ、惚れさせて、自分の店が選ばれる理由をつくっていくための実践をシェアし合うコミュニティです。

とにかく工藤さんは実践派。いいと思ったものをすぐに取り入れる行動力で、会員の成功事例を次々に試していったそうです。

工藤さんのファンづくりの実践は、5つに分けられます。それが、

  1. 顧客名簿は収益源
  2. 人にフォーカス
  3. 動機づけ
  4. 絆づくり
  5. 価値創造

です。以下では、簡単ではありますが、①~⑤の実践内容を紹介していきます。

①顧客名簿は収益源

  • 3日以内に「サンキューレター」
  • 21日以内に「ニューズレター」
  • 以降は+アルファのファンコンテンツ

工藤さんの”+アルファ”は、なんとプレゼントつきの「クロスワードパズル」でした。ちょっとした遊び心でしたが、意外や意外、お客さんからの反応がとてもいいのだとか。面白がってクロスワードパズルに応募してくれた人が、ずっと付き合いの続く顧客になっていった例もあるようです。

②人にフォーカス

  • 人は複数の選択肢があるとかえって選びにくくなる(ジャムの法則)
  • そこでPOPに「まずは〇〇で驚いちゃってください」と店が特定の商品をピックアップして行動を促す

③動機付け

  • あまり売れなかった高単価なサラミを「矢印」と「スタッフの夫も絶賛!いままで食べたなかで最高のサラミ」という要素を組み込んだPOPにした。そのPOPによりサラミの売上が9倍に!いまでは全国のお客様が殺到する完売商品に。
  • 入口のところに「あのヨーグルト入荷しました!」と書いたPOPを設置したところ、お客様から「“あのヨーグルト”って何ですか?」と好反応があり、売れ行きが伸びた

④絆づくり

  • お店のなかに「コンテくん」という人形を配置し、「コンテくんを探せ!」というユニークな企画を実践。プレゼントつきなので、小さな子どもだけでなく、大人も楽しんで探すようになってくれた。
  • コロナで店の“温度”が下がりつつあったので、ジャンケンゲームを企画(東京都板橋区の漬物屋さんの事例を参考に)。
  • レジの前に黒ひげ危機一髪を置いて、あたりが出たらプレゼント。はずれでもプレゼントを用意。

黒ひげ危機一髪について、工藤さんはこういいます。

「大当たりがでると、歓声が起こり、他のお客様も驚いてみんなで拍手する、というホットな現象が起きます。常連様で「10回目にして初めて当たったわ!」とおっしゃる方も。大当たりのプレゼントは原価125円程度の商品ですが、喜びもひとしおです。」

⑤価値創造

コロナの影響で売れ行きがガクッと落ちた、あるチーズ商品。ワンホールの大きなチーズであったため、飲食店やパーティ需要があったが、コロナで需要がなくなってしまった。

値引きでなんとか売るしかないのか、と諦めかけていたところ、スタッフから「小分けして販売するといいのでは」と提案が。業界的にも、このチーズを小分け販売するのは常識外だったが、コロナという状況において、小分け販売の発想がドンピシャリ。「パーティや大人数で楽しむチーズ」から、「宅飲みで楽しむチーズ」として、新たな価値が加わった。

④絆づくり+⑤価値創造

「チーズの名づけ親になろう」企画で、お客様と店の絆がぐっと深まった。参加型の企画は、お客様をお店づくりの一員にすることができる。

この講座は実践を振り返る機会になった

数々の実践と成果。参加者も興味津々でした。講座はもちろん大盛況。

「今回の講座に際して、お客様をワクワクさせるためのアイデアや実践を振り返ってきました。あらためて思うのは、こういうお客様の心を動かす創意工夫が、コロナのような苦難でも、すごい効果を発揮していたということです。

経営者の器以上に売上は伸びないとよくいいますが、今後は人間力をつける勉強ももっとしていきたいです。とくに企業理念は重要だと痛感しています。」

と工藤さんは感想を述べてくれました。

事業が軌道にのるきっかけは「顧客リスト」だった

工藤さんのお話が終わると、待ってましたといわんばかりに、参加者から次々に質問が飛び交います。

そのなかでも印象的なのは「数々の実践をして成果をあげておられますが、とくにこの実践が効いたなというのはありますか」という質問でした。

工藤さんはこう答えます。

「やはりなんといっても、顧客リストのフォローを真剣に行ったのが、経営安定のきっかけだったといえますね。顧客リストを得る方法は色々あると思います。ベターなのは、会員カードだと思います。会員カード作成なら、比較的抵抗なく個人情報を書いてくださるお客様が多いです。」

事業が軌道にのるきっかけは「顧客リスト」だった

まとめ

マーケティングの世界では、価格の前に、価値を語れ!という金言があります。価格だけで差別化を図ろうとすると、いつか必ず、ジリ貧になってしまいます。

価格でしか選ばれないビジネスを展開してしまうと、顧客との関係はまさに“金の切れ目が縁の切れ目”のような希薄な関係性になってしまいます。

工藤さんは「人にフォーカス」することが何よりも大事だと繰り返し強調しました。

「多くの商人は、仕事モードに入ってしまうと、商品や、帳簿の数字ばかりが目についてしまって、それを生み出している人というのを忘れてしまう」

これは、工藤さんが忘れられない、【ワクワクマーケティング実践会】の小阪さんが言っていた言葉です。

何より工藤さんが素晴らしいのは、とにかくアイデアや成功例を真似て試してみるという姿勢です。頭では理解できていても、実際に行動を起こして、成果を上げなければ、意味がない。だから工藤さんは、成功した人たちの話を素直に聞いて、試せるものからどんどん試していきました。

いいか悪いかを判断するまえに、まずは試す。そのトライ&エラーの姿勢が、自然と上昇気流を生み出し、顧客想像の推進力になっているのだなと感じました。わたしたちも、工藤さんの実践力をぜひ見習っていきたいです。今回のご登壇、誠にありがとうございました!

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