コンテンツマーケティングはサイト集客数、問い合わせが増えます。それは当たり前ですが、その問い合わせは、本当に企業の利益に貢献できる問い合わせなのか、ただ単に数字だけ大きく見えるのかも明確にしておかなければマーケティングの意味がありません。
数だけ増えても、ビジネスに繋がる問合せでなければ意味がありません。実際に、数字だけ増えても売り上げに繋がらないケースもよくある話です。
今回は、問い合わせの数も質も変わり売上につながる力がコンテンツマーケティングにある弊社のクライアントの事例を紹介していきます。
問い合わせはあるものの受注にはいたらない、意味のない問い合わせばかりが増えているそのように悩む企業様はぜひ参考にしてみてください。
ホームページから問い合わせが増加。さらに問い合せの質も変わった病院の成功事例
弊社には、病院の受診者数を増やすという目的でWEBマーケティングに取り組んでいる病院経営をしているクライアントがいます。
北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科という病院です。診療項目は頻尿や前立腺肥大、性病などがあります。
コンテンツマーケティングを通して、ホームページの集客数、問い合わせ数が順調に増え、さらに受診に繋がった事例の戦略、結果が次の通りです。
WEBマーケティングの目的・目標
病院の売り上げは、患者数×来院頻度×診療当たりの売上で構成されます。この3つのどれかの要素を増やすことで売上が最大化されていきます。
2022年の戦略としては、新規の患者様の増加を目的とし、病院の専門分野である幅広いキーワードでコンテンツを作成し集客していました。
例えば、頻尿や尿路結石、子どもの尿トラブルなどあらゆる泌尿器科の分野でコンテンツを発信していました。
また、受診へのハードルを下げるために、無料メール問い合わせを設置し受診前の不安を取り除く動線も用意しています。身体の悩みは気軽に電話で相談できないこともあるので、いきなり病院にいくよりかは相談しやすい環境です。
コンテンツからの流入を増やす→HPへ誘導し病院理解を深める→受診前の不安を取り除くためのメール相談→受診へという流れを想定しWEBマーケティングを実施しました。
その結果、月に数件無料メール相談の問い合わせはあるものの、メール問い合わせの質に一貫性がなく、ただ症状を訴えるだけの内容で受診に繋がらない・返信をしても音沙汰がない内容が多く見受けられました。目的には達ない結果だったので、2023年5月に改めて戦略を立て直します。
戦略を立て直したのが次の内容です。
新規患者様の増加は変わらない目標数値として、目的として新たに置いたのが「手術件数の増加」です。
先ほど紹介した、病院売上の公式=患者数×来院頻度×診療当たりの売上の3つの要素に当てはめると、手術件数を増やすことは診療あたりの売上を伸ばすことにも当てはまります。
というのも、病院として診療報酬が高いのは「手術」することにあるからです。
さらに、病院の歴史やあゆみなど深ぼり、競合との差別化をリサーチした結果、手術が他の病院と差別化できる強みだったため、その強みを訴求できるような目標設定とコンテンツ設計をしました。
その強みが「前立腺肥大症の日帰り手術 HoLEP」です。
神楽岡泌尿器科様は、開業して20年以上経過しています。院長である渋谷先生は開業前は大学の泌尿器科に勤めていました。
当時、勤務していた病院では、前立腺肥大症の手術で代表的な、TURP(経尿道的前立腺切除術)を行っていました。
しかし、HoLEPの方が患者さんにとって身体的な負担が少ないとわかり、そこからHoLEPの手術を積極的にするようになりました。
それから神楽岡泌尿器科を開業するとき、日帰りHoLEP手術をメインに行っていきたいと考え、病院の設計も日帰り手術ができる環境にこだわり建築し、今の神楽岡泌尿器科があるのです。前立腺肥大症の手術だけでいえば、累計2000例以上の実績がある先生です。
改めて、病院ができた背景や先生の経歴を聞くと強みが明確になっていきます。このストーリーをヒントに強みとして発信できるか競合調査などをしていきます。
コンテンツは、手術に興味を持っていただけそうなペルソナを定め、一つのキーワードだけで狙う作戦をとりました。
それが「前立腺肥大症」です。
前立腺肥大症の方が悩む内容をテーマにコンテンツを1年以上発信していきました。その結果がこちらです。
コンテンツマーケティングをしたサイトの集客数の変化
幅広いキーワードを狙っていた2022年は集客数の上がり幅は少なかったのですが、2023年にキーワードを「前立腺肥大症」一つに絞ってからはサイトの集客数が大きく増加しました。
メール問い合わせ数の変化
問い合わせ数は、サイトの集客数が増加するたびに増えていきました。ただ数が増えるだけでなく戦略通りの前立腺肥大症や日帰り手術についての質問や狙ったキーワードについての質問が増えていったのです。問い合わせの内容については以下で紹介します。
問い合わせの質の変化
まず、変化前の問い合わせ内容が下記の通りです。
- 性器についての悩み(かゆい、痛いのみ)
- リピーターの予約利用
- 頻尿にまつわること(事前情報がなく頻尿ですと訴える)
そして、2023年11月ホームページ集客数が増加し、そこから徐々に狙っていたキーワードでの問い合わせが増えてきました。
問い合わせの内容を要約すると以下のようになります。
- 近くの病院に受診中だが主治医との治療方針との違いにセカンドオピニオンの相談
- 今までの治療経過や手術すべきなのかの相談
- 現在服用している薬についての相談
戦略を変えた前後の問い合わせ内容を比較すると、チャット感覚のような問い合わせ内容だったのが、具体的な内容となり、本来の病院が果たす役割セカンドオピニオン的な内容が増えました。
ホームページからの問い合わせの質が変わった成功要因
では、なぜコンテンツマーケティングで上記のような戦略通りの問い合わせが増えたのか具体的に説明していきましょう。
1、病院の強みを再発見しコンテンツの方針を変えた
先生に開業当初の想い、普段来ている患者様の層、病院にとって一番嬉しいこと、治療方針などヒアリングし直し強みを再発見しました。
さらに、病院は地域の競合が多いので周辺の病院も調査し総合的に考え「前立腺肥大症の日帰り手術」をできることをもっと訴求していこうという結果となりました。
選ばれる病院になるには、私たちは患者様に対してどのような診療を提供するのかを明確に示すことが大事です。強みを明確にしたからこそ、ホームページやコンテンツ、Google マップ、動画などのコンテンツに反映できるのです。
2、一つのキーワードしか狙わないコンテンツ設計
病院は扱う疾患が多いです。例えば、整形外科だったら骨折・肉離れ・捻挫など、婦人科だったら、妊娠・子宮筋腫・性病・更年期疾患など幅広い年齢や疾患を取り扱っています。
その中で全ての疾患を狙ったキーワードでコンテンツを設計すると成果が出るまでに時間がかかります。そして健康系のキーワードは需要が高いので競合も多いのが事実。
神楽岡泌尿器科の場合、2022年以降は幅広いキーワードを狙った戦略だったのを、2023年5月以降は一つだけの大きなキーワード「前立腺肥大症」を狙う作戦に変えたことで、半年後にはサイト集客数も問い合わせの数も変化していきました。
3、動画コンテンツを導入したドクターの理解促進
ブログだけでなく、動画も重要なコンテンツの一つです。動画のメリットとして、人柄が伝わりやすく、具体的な説明が可能で、理解を促進しやすい点が挙げられます。
スマホ一つで自分の症状を理解し、近くの病院を探せるようになった現代では、患者様は自分の価値観に合う病院を積極的に探すようになりました。その点、動画コンテンツはドクターの話し方や特徴を短時間で理解でき、問い合わせを導く効果的な手段となります。
患者様によっては、どのようなドクターに診てもらえるのかという不安から、病院に行かないケースもあります。また、これまでの病院経験から、ドクターに対する固定観念が芽生え受診しない方もいるでしょう。
このような潜在的な不安や不満に対して、ドクターが話す動画コンテンツは病院に来るきっかけづくりにもつながります。
神楽岡泌尿器科の場合、動画コンテンツもブログと同様に一貫性を持たせ、前立腺肥大症をテーマに発信していきました。
7人の登録者から始まったYouTubeチャンネルは、現在では2000人近くの登録者を持ち、収益化にも成功しています。
以上の3つのことから、一貫した戦略からコンテンツに落とし込んだことで徐々に結果が変わっていきました。
ポイントは、
- 病院の強みを明確にしコンテンツに落とし込む
- コンテンツに落とし込む際は一つのキーワードで絞り込む
ついつい幅広く攻めがちな部分を一つに絞ること。これがマーケティングで成果をだすために重要な部分です。
問い合わせの質を求めることはマーケティングにとって大事なのか?
マーケティングは売れる仕組みをつくることです。
問い合わせがあっても売れなければ意味がないのです。つまり、問い合わせが増えた数、集客数が増えた数だけみることはマーケティングではありません。
問い合わせ数の先にある質が高い問い合わせを獲得することが重要です。
質が高い問い合わせとは、欲求が顕在化されたニーズの高い顧客からの問い合わせです。
具体的には、
- 問題の解決への関心が高い
- 具体的な悩みやニーズを抱えている
- 病院側の特徴やサービスの理解が高い
質の高い問い合わせを獲得することは、以下のメリットがあります。
- 問い合わせの数を追わずとも成約(目標達成」に繋がる
- 病院内スタッフの無駄な時間をさかなくていい
- 問い合わせした人への満足度が向上する
逆に、お問い合わせがあっても売上に繋がらないケースは、会社側と消費者側の求めるものが一致していないことが原因と考えられます。
お互いの理解があれば、病院側も問い合わせする人も満足度が高くなるので、問い合わせの質も評価指標にいれることも大切でしょう。
まとめ
コンテンツマーケティングの理解や成果を知っていただければと思い、エレメントの事例を紹介させていただきました。
コンテンツマーケティングで具体的に会社にどう貢献してくれるのかわかりづらい部分なので、今回の事例を通して理解を深めていただければ幸いです。
成功事例をみる会社でWEBマーケティングに取り組みたい、サービスに繋がる問い合わせがなく売上がないなどお悩みの方はぜひ下記よりお問い合わせください。
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