今回は、北海道旭川市の銃砲店シューティングサプライ様のYouTubeの事例についてご紹介します。
始めて間もないですが、収益化のラインであるチャンネル登録者数1,000人、総再生時間4000時間を約半年で達成し、収益化のみならず店舗の売上にも大いに貢献できるかたちとなりました。
これらは無作為に動画をあげただけでは絶対に到達できなかったと断言できます。
目的からしっかりと定めて戦略的に運営を行うことで、狙ったターゲットに見てもらえるチャンネルへと成長したため、今回はその具体的な戦略をできるかぎりお伝えします。
YouTube運営に悩む個人、企業の方たちはぜひ参考にしてください。
具体的な結果
シューティングサプライ様のYouTubeの初投稿は2023年11月30日でした。
もちろん登録者は0人からのスタートでしたが、2024年5月10日にチャンネル登録者数が1000人を超え、同時に収益化の条件である総再生時間4000時間も達成しました。
達成時の動画の本数は20本。芸能人であれば1本の動画で達成することもあるラインですが、一般の企業が0から認知を獲得しようとするとかなり難しいと思います。
これまでの総再生回数は12万回、現在のチャンネル登録者数は1220名となり、約100再生で1名(1%)の獲得となっています。
再生回数あたり1%のチャンネル登録者獲得となると、YouTubeのアルゴリズムとしても評価される土台に上がっていると言えます。
この数字を獲得するまでにどのような思考で作業に落とし込んでいったかを解説します。
チャンネル登録者を増加させる具体的な6つの戦略
実際の施策について具体的に解説します。
- チャンネルの目的を明確にする
- 具体的なターゲットを定める
- チャンネルのコンセプトを明確化すること
- 検索キーワードを入れて検索の視聴回数を高める
- 再生リストで関連した動画をもれなく見てもらう
- HPとの相乗効果を狙う
これらを順に解説していきます。
1、チャンネルの目的を明確にする
まずはYouTubeを通じて何を達成したいのかを明確にします。
シューティングサプライ様であれば、YouTubeから新規のユーザーを獲得し、銃砲店の売上をあげることを目的として運営しています。
一般的にも主には商品の購入、サービスへの誘導などが挙げられるのではと思います。
シューティングサプライ様の場合、銃に関心がある人に向けて、わかりやすいコンテンツを届けることが重要です。目的とそれを達成するために必要なコンテンツを企画するという流れで進めていきます。
2、具体的なターゲットを定める
目的を達成するために、誰に動画を見てもらうのかを定義します。
猟銃を購入する人の中でも、これから始める初心者にターゲットを絞り、「銃初心者×銃砲店店長」という組み合わせでニーズを満たすコンテンツを日々企画しています。
初心者である理由は、新たに銃を購入する確率が高いことと、初回購入した店でファン化する可能性が高い点、さらに生涯の購入回数が最大なのも、「初心者」である可能性が高く、分母も大きいためです。
このターゲットは非常に重要で、今後伸び悩んだときにターゲットがずれていたことを確認することにも役立ちます。
無作為に手広く動画をあげていた場合は、どの動画が悪いのかの検証ができません。
ゆくゆくはニーズを大きく取ることも重要ですが、初期段階ではターゲットをある程度特定した上でコンテンツを企画し、検証を繰り返すことが重要です。
ただ、特定したニーズがまったく需要のない場合は問題です。
そのような失敗に陥らないために、市場がどの程度あるかを事前に把握する方法については後ほど解説します。
3、チャンネルのコンセプトを明確化すること
ターゲットを特定できたら、チャンネルのコンセプトを明確にします。
ここで重要な視点は、先ほど掲げたターゲットが、YouTubeチャンネルを通じてより良く変化すること。その過程において自社の商品サービスが必要になることが重要です。
すべてにおいてそれができるわけではないと思いますが、可能な場合はその視点を持ってコンセプトを定義しましょう。
シューティングサプライ様では、銃初心者に向けて、銃の選び方やカスタマイズの仕方、狩猟に出る時には所作やコツなど、一流のハンターになるために必要な情報を提供することにしています。これがコンセプトです。
例えば、銃の選び方を知ったあとは、購入するときにシューティングサプライ様を利用する、という可能性が多分にありますよね。
このように、誰に何を提供するのかをしっかり定めることが重要です。今後の動画企画がぶれないようにするためにも定義しましょう。
4、検索キーワードを入れて検索の視聴回数を高める
YouTubeには検索機能があり、検索して動画に辿り着くユーザーも多くいます。
であれば、ユーザーがどのようなキーワードで調べているかを知ると、それに合わせた動画を撮影して、効率よく見てもらうことが可能になります。
キーワードはラッコキーワードというツールで調べることが可能です。
検索窓にメインとなるキーワードを入れると、それを含んだ多数のキーワードを自動で探してくれます。
例えば下記では「猟銃」と検索したのですが、2938個のキーワードを抽出することができています。
このように、複数のキーワードを知ることは、自分の頭のなか以外の実際の市場を客観的に知る重要なプロセスです。
また、YouTubeのアイコンがあり、そこにチェックを入れるとYouTubeにおいて検索されているキーワードを知ることが可能です。
YouTubeのアイコンにチェックを入れてYouTube上のキーワードを取得
そして、抽出したキーワードを左メニューの「月間検索数」というところで表示すると、月にそのキーワードが何回検索されているかを知ることができます。
これは有料の機能ではありますが、安いプランだと月に440円程度から使えるため、必要経費としてラッコキーワードは会員になることをお勧めします。
月間検索数の取得
そして実際にどんなキーワードで検索しているのかについては、YouTubeのアナリティクスにて確認することが重要です。
アナリティクス→右上の「詳細」→トラフィックソース
を確認します。
2023年12月のデータ
YouTube検索の割合は6.4%、389回。
2024年5月のデータ
YouTube検索の割合が16%、1718回と増えています。
検索した人が動画を見た場合と、関連動画で見た場合では、ニーズの一致度が変わります。
もう少しお伝えすると、関連動画は意図せず見ることがあり、そもそも見るつもりじゃなかった、というシーンもあり得ます。
ただ、検索した場合は、そのキーワードでその人の頭は支配されている状態です。
動画の内容が検索キーワードに一致していることは大前提ですが、検索して動画に辿り着いた場合には、ユーザーに満足してもらえる可能性が非常に高いです。
また、恒常的な悩みについて動画を作れば、安定して視聴者にリーチすることが可能です。
そのような土台を初期から着実に積み上げていく場合と、無作為な場合では結果が異なる可能性が高いと私は思います。
5、再生リストで関連した動画をもれなく見てもらう
動画が増えてくると、ニーズがどうしても広がっていきます。
ただ、ユーザーは常に自分に関心のある動画だけを求めています。そういうときの助けになるのが再生リストです。
例えば、狩猟に関して知りたい人に向けて、選び方に関することだけ話している動画だけを集めてカテゴライズします。
ニーズは細分化するので、今後動画の本数が増えるにつれて再生リストは増えていく想定です。
6、HPとの相乗効果を狙う
YouTubeとHPのブログを相互に行き来する導線を作ることも非常に効果があります。
YouTubeだけでは獲得できなかった、Google検索で悩みを解消しようとするユーザーに、動画の存在をアピールすることで新たなユーザーを獲得することが可能です。
逆もまた然りです。
ブログは、先ほどお伝えした需要のある検索キーワードをしっかり狙い構成しています。
ブログとYouTubeの双方で検索行動をしっかりとキャッチすることで、安定的な閲覧数が獲得できます。
※余談ですがHPが非常に重要だと知らない人が多い現状について
ここで少し角度を変えて大事なポイントをお伝えしたいのですが、HPのコンテンツを資産として蓄積することの重要性と、それを意識しない危険性を認識していただきたいです。
YouTubeやInstagramなどは、今後の新たなプラットフォームの誕生で衰退化する可能性があります。そうなるとYouTubeなどにあげた動画はほぼ見られなくなります。
ですが、自社HPで掲載しているコンテンツは資産として残り続け、新たなプラットフォームの誕生に合わせて作成したコンテンツを台本に何度でも展開できます。
実は、今シューティングサプライ様のチャンネルにあげている動画の大半は、過去に作成して閲覧数の多いブログを台本として作成しています。
そのため、労力は少なく、さらに打率が非常によくなるという好循環が生まれています。
今はYouTubeで行っているだけで、その他が主流になったとしても同様のことが可能だと確信しています。
なぜなら、コンテンツはユーザーのニーズを起点に作成しているからで、プラットフォームに左右されない、人が根源にした内容だからです。
また、コンテンツを仮説のもとで作成するからこそ、検証も可能であり、さらに幾らかの再現性も生まれます。
HPのコンテンツで多くを試し資産化することは、企業に取ってとても重要だと考えています。
まとめ
今回は、旭川の銃砲店シューティングサプライ様のYouTubeチャンネルにて、チャンネル登録者1000人を半年で達成した施策についてお伝えしました。
このような事例を発信する背景は、私たちがすべての企業の人たちをサポートはできない代わりに、間接的にでも本物の企業の価値を世の中に広める一助になれればとの考えからです。
多くの中小企業のかたたちがマーケティングに時間を割けない実情を見ているので、一度相談してみたいという方は無料相談を活用してみてください。できる限りみなさまの状況に合わせたアドバイスができます。お気軽にご相談ください。
YouTubeに関する無料相談はこちら(マーケティングについてはどんな悩みでも可能です。お気軽に。)