「オウンドメディアやブログでアクセス数は増えているのに、肝心の問い合わせ(リード)につながらない」
「Webサイトが集客ツールとして機能しておらず、ただの会社案内になっている」
Webマーケティングに取り組む多くの企業様が、こうした「集客と成果の乖離」という課題に直面しています。アクセスを集めることは手段であり、目的ではありません。
今回は、弊社 エレメントが支援させていただいている「旭川木工センター様(旭川の家具メーカー等12社で構成される協同組合)」の事例をご紹介します。
本プロジェクトでは、単なるデザインのリニューアルではなく、「組織としての存在意義の再定義」から「コンバージョン(成果)地点の設計変更」まで、ビジネスモデルに踏み込んだ戦略的改革を行いました。
その結果、年間10件未満だった問い合わせが、リニューアル後わずか10ヶ月足らずで4倍以上の46件へと激増したプロセスを実際の手順に沿って解説していきます。
北海道旭川市を拠点とする木工関連企業の協同組合(1966年設立)。 家具メーカーをはじめ、製材、木工機械、特注内装、クラフトなど、木に関する多岐にわたる専門企業12社が加盟しています。
「木の暮らしの相談窓口」として、個人・法人を問わず木に関するあらゆる相談を受け付けています。
お問い合わせ内容に基づき、高度な専門技術を持つ加盟企業の中から最適なパートナーを選定し、家具の購入やオーダーメイド、木製品に関わる課題解決をワンストップでサポートしています。

1. プロジェクト背景と課題:なぜ「アクセスはあるのに成果が出ない」のか?
旭川木工センター様は、日本有数の家具産地である旭川のメーカーが集う組織です。
支援開始当初(2024年以前)、Webサイトには月間約12,000ユーザー(UU)のアクセスがあり、数字だけ見れば悪くありません。
しかし、ビジネス上の成果(問い合わせや受注)にはほとんど繋がっていない状態でした。
課題の構造的要因
徹底的な現状分析の結果、以下に挙げる項目で課題点が浮き彫りになりました。
「リンク集」化していたWebサイト
以前のサイトは、各加盟メーカーのサイトへユーザーを飛ばす「リンクステーション(通過点)」の役割しか果たしていませんでした。
ユーザーはコンテンツを読んだ後、木工センターを経由して各社サイトへ離脱してしまい、「木工センターに相談する」という動機が生まれていなかったのです。
成果計測の欠如
「各社サイトへの遷移数」をコンバージョン(成果)としていたため、実際にその先で売り上げにつながったのか、問い合わせが発生したのかが、組織間での追跡が困難でした。これではPDCAが回せず、改善策が打ち出せません。
組織の提供価値が不明確
改めて「旭川木工センターとは何をしてくれる組織なのか?」がユーザーに伝わっておらず、訪問者は記事を読んで満足して帰ってしまう、いわゆる「情報のタダ読み」状態で終わっていました。
2. 戦略フェーズ:訴求ポイントの転換(2024年3月〜)
私たちは「デザインを綺麗にする」だけのリニューアル提案は行いません。クライアントと数ヶ月にわたる議論を重ね、サイトの役割を根本から変える提案を行いました。
戦略①:コンセプトの再定義「木工のコンシェルジュ」

単なる組合紹介サイトから脱却し、「木の相談窓口(コンシェルジュ)」としての機能をサイトに持たせることを決定しました。
「木工センターに相談すれば、加盟する12社のプロフェッショナルの中から最適な解決策を提案・紹介してくれる」という、ユーザーにとっての明確なメリット(ベネフィット)を打ち出しました。
戦略②:コンバージョンポイントの「集約」
これまで各社に散らばっていた問い合わせ導線を廃止し、「一度、木工センター事務局で問い合わせを一括で受ける」というフローに変更しました。
- ユーザーのメリット:「どこに頼めばいいかわからない」という迷いを解消。
- 運営側のメリット:Webサイト上での「問い合わせフォーム到達」を明確なKPI(成果指標)として設定可能に。
これにより、「アクセス数」ではなく「問い合わせ数」を追う体制が整いました。
3. 実行フェーズ:リニューアルとコンテンツマーケティングの実装(2024年9月〜)
再定義した戦略に基づき、サイトのフルリニューアルと運用体制の構築を行いました。
施策①:サイト構造の刷新とCTAの徹底配置

トップページで「何ができる組織か」を明確化。さらに、過去のブログ記事という資産を最大限活用するため、以下の改修を行いました。
- 過去記事の資産価値向上:リンク切れや画像エラーを修正し、SEO評価を毀損していた要因を排除。
- CTA(Call To Action)の全記事設置:全てのブログ記事の文末に「お困りの方はこちらへ」という誘導ボタンを一括設置。記事を読んだユーザーを確実にお問い合わせへ誘導する導線(CTA)を網羅しました。
- 「電話コンバージョン」の計測開始:「今すぐ直したい」という緊急度の高いユーザー向けに、スマホでの電話タップ数を計測対象に加え、機会損失を防ぐ仕組みを導入しました。
施策②:コンテンツマーケティングの強化(月5本投稿)
集客を加速させるため、月5本のペースで新規記事を投入する運用を開始しました。
- キーワード戦略:「木材」などのビッグワードから、「家具 修理」「ダイニングテーブル リメイク」といった具体的悩みを持つ顕在層向けキーワードを展開。
- 目標からの逆算:コンバージョン率(CVR)を0.1%と仮定し、目標とする問い合わせ数(月30件)から必要なアクセス数(月30,000UU)を算出。ロジカルな数値目標をクライアントと共有しました。
施策③:問い合わせフォームのEFO(入力フォーム最適化)

さらに、ただ問い合わせを待つのではなく、分析可能なデータを集めるためのフォーム改善を行いました。
- 画像の添付機能:「壊れた家具」や「作りたいイメージ」の写真を送れるようにし、見積もりの精度を向上。
- 流入経路の可視化:「ホームページに来たきっかけ」項目を追加し、SEOやブログの効果を測定可能にしました。
- エリア情報の取得:ユーザーの地域(都内、道外など)を把握し、ターゲティング精度を向上させるための項目を設置しました。
4. 成果報告:リニューアルから10ヶ月後の劇的変化
これらの戦略的な取り組みにより、サイトは劇的に変化しました。
成果①:問い合わせ数が「年間10件未満」→「10ヶ月で46件」へ

以前は年間でも数えるほどしかなかった問い合わせが、リニューアル後の約10ヶ月(12月時点)で電話・Web合わせて46件に達しました。
これは単なる数値の向上だけでなく、クライアント組織内にも「Webから案件を獲得できる」という確信と、Webマーケティングへの信頼に繋がりました。
成果②:想定を超えた「BtoB案件」の引き合い
広範囲に網を張ったコンテンツ戦略と、信頼感のある「コンシェルジュ」としての訴求が功を奏し、当初の想定を超えた大きな成果が得られました。
具体的には、主のターゲットとして捉えていた個人客からの依頼にとどまらず、これまでリーチできていなかったBtoB層からの案件が舞い込むようになりました。
例えば、新規開業するパン屋さんの作業台製作や、駅前ホテルのインバウンド向けプロジェクトにおけるオリジナル伝統工芸品の製作など、多岐にわたる相談が寄せられています。
こうしたWebを通じた発信力と信頼の構築により、これまでは地元中心だった商圏が、東京や神奈川といった首都圏まで大きく拡大する要因として繋がりました。
5. 今後の展望:データの資産化と更なる精度向上
サイトのリニューアルの効果により、一定数の問い合わせ向上の成果は出ましたが、同時に新たな課題も見えてきました。
例えば、「他メーカーで購入したベッドの脚をカットしてほしい」といった、修理コストと商品価格が合わない個人案件も多く含まれていました。
現在は、これまで獲得した46件の問い合わせデータを詳細に分析し、次のフェーズへと進んでいく新たな戦略設計が必要です。
- 「見積もり提案」の精度向上:ユーザーの予算感と、職人の手仕事による費用のギャップを埋めるため、サイト上への価格目安の掲載や、「見積もりはこれくらいかかります」という事前情報の開示。
- BtoB特化コンテンツの強化:より高単価でビジネスインパクトの大きい法人案件(特注家具、施設内装、OEMなど)を狙い撃ちするためのキーワード設計へのシフト。
データが集まったからこそ、次の戦略が打てる。これがコンテンツマーケティングの強みでもあります。
まとめ

今回の旭川木工センター様の事例で証明されたのは、「アクセス数(集客)」と「コンバージョン(成果)」をつなぐのは、徹底した戦略設計であるということです。
ただサイトに記事を書いていくだけ、ただデザインや見た目を綺麗にするだけでは、ビジネスの課題は解決しません。
私たちは、企業のビジネスモデルを深く理解し、「誰に」「何を」「どう届けるか」を再定義することから始めます。
- アクセスはあるが問い合わせ(成果)が得られない
- Webからのリード獲得を自動化・最大化したい
- 質の高い法人案件を獲得したい
そうお考えの企業様は、ぜひ一度私たち(エレメント)にご相談ください。
貴社のWebサイトを、ただの会社紹介ではとどまらない「最強の営業マン」へと変革させる戦略をご提案いたします。
