今回は、先日行われた社内ビジョン研修の準備から当日の様子まで、進行を担当したWEBディレクター綿井がレポートします。
「ビジョン」という言葉は、マーケティング業界では頻繁に使われるものの、実際にその意味を十分に理解し、使いこなせている会社は少ないと感じています。実際、弊社もその一社です。
ビジョンを考えたものの、スタッフ全体に浸透していない。この内容で本当に正しいのかわからない。結果として「ビジョン」という言葉だけが一人歩きしている状態……。そんな悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
重要性は理解しているものの、日々の業務に追われて、社内の根幹部分が後回しになってしまう
――これは、どの会社でも起こりうることです。
弊社もまさにその状況に直面していました。しかし、今年こそはこの問題を解決しようと、ついに重い腰を上げて取り組んだのが、今回ご報告する「ビジョン研修」です。
同じような悩みを抱える会社もあるだろうと、今回は弊社の「ビジョン研修」の詳細を事細かにご紹介することにしました!
あなたの会社の研修にも役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも論|ビジョン研修を開催した目的を赤裸々に語ります。
2025年、エレメントでは「社内育成に集中する」という目標を掲げています。事業を拡大していくためには、スタッフ一人ひとりの成長が欠かせないからです。
エレメントはマーケティング支援を行う会社であり、その中でも特に重要な役割を担うのが「WEBディレクター」です。このポジションには、マーケティングの深い理解、プロジェクトマネジメント能力、リーダーシップ、さらにはコンテンツ作成に関する幅広い知識やスキルが求められます。
幅広いスキルが求められるからこそ、目の前の仕事ばかりに追われ疲弊しないビジョンが必要になります。自己実現に向かうビジョンをもつこと。それが自ら奮い立たせ、成長に向かっていくのです。
その一歩として、会社のビジョンを深く理解した上で、自分自身のビジョンを明確に持つ。それがエレメントが求める「成長する人」の姿だと思いビジョン研修を開催しました。
では、なぜ今このタイミングでビジョン研修を実施することになったのでしょうか?
その背景には、これまで試してきたさまざまな取り組みが、効果を発揮できなかったという現実があります。
例えば、
- 社長が全体会議でビジョンを繰り返し共有したり
- ビジョンを壁に貼って見える化したり
- 入社時にビジョンを読み込んでもらったり
- スタッフ自身に自分のビジョンを考えてもらったり
こうした取り組みを行ってきたにもかかわらず、スタッフの中に「当事者意識」が芽生えることはありませんでした。
その原因は、単語の解釈やビジョンに対する理解が、スタッフごとに異なっていたことにあります。「輝く」とは具体的に何を意味するのか?「どうなれば輝いていると言えるのか?」といった疑問が生まれたり、「ビジョン」や「ミッション」という言葉の解釈が人によって異なるため、社内で意見が割れることもありました。
こうした状況を解消し、社内に統一された共通言語を作るために、1日かけて「ビジョン研修」を行う必要があったのです。これはまさに、緊急事態だったのです!
ビジョン研修までの準備|宿題をしないと研修に参加できません。
ビジョンが社内に浸透しない課題を認識し、当日のビジョン研修までに2つの宿題をだしました。
1、書籍「ビジョナリーカンパニーZERO」を読んで、ビジョン・ミッション・コアバリュー・BHGAの言葉の理解を深める。
エレメントのビジョン・ミッション・コアバリュー・BHGAは、書籍ビジョナリーカンパニーZEROを基に作成されています。言葉としての共通認識をつくるため必読にしました。読んだことがある人も再読です。
さらに、読んだことのアウトプットまでしてもらい、読んで終わりにならないようにしました。理解するにはアウトプットまでするのがエレメント流です。
2、どうしたら、ビジョン・ミッション・コアバリュー・BHGAを行動まで落とし込めるのか考えて提案する
実際に行動できなければ、ビジョンはただの言葉。いくら時間をかけて話し合っても意味のないものとなります。
そうならないためにも、みんながどうしたら社内で行動してくれるのか当事者意識をもってくれるのかまで考えてもらいました。
自分で考えた方が行動にうつしやすいし、何より言い出しっぺが一番行動しますから。笑
準備:番外編
ちなみにビジョン研修隊長は、当日までの準備として、会場のレンタル・ランチの手配も含まれます。ビジョン研修を滞りなく進めるためにはスケジュールを見越した計画は必須。
どこで開催するのか、誰と実施するのか、事前に準備してくることは予め定めておきましょう。
エレメントでは、今までと違う新鮮な環境で想像力を高めようと、ビジョン研修のためだけにレンタルルームをお借りしました。さらに、チームワークを高めようと会場近くのフルコースランチも予約しモチベーションもあげています。
▼ビジョン研修会場
フルーツ会議室大通り
日当たりもよく、6人にはちょうどいいサイズで快適に過ごせました。
▼ランチ会場
OYOBA-RE
会場から徒歩5分のところにあるホテルレストラン。主食+サラダバー+ドリンクバー+デザートつきで1,500円/人。落ち着いた大人っぽい雰囲気のレストランで、美味しく料理をいただけました。ちなみに、WEBディレクター今井はサラダバーを3杯おかわりするほど堪能していました。おすすめです!
不安混じりではじまった「ビジョン研修」スタート!
さあ、当日。
9:00-18:00まで缶詰でビジョン研修がいよいよスタート。
会議の目的と達成基準はこちら。
▼会議の目標
- エレメントのミッション、ビジョン、バリューの超言語化し行動できるまで共通言語にする
▼達成基準
- その言葉で頭の中でイメージできるのか、頭の中でイメージできかつ色がついているか
- 小学生でもわかる言葉か
- もし新しい人が入ってきてミッション・ビジョン・バリューの概要がわからなくてもすぐに理解し行動できるのか
▼当日のスケジュール
- 9:00 朝礼
- 9:30 ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスの言葉の概念をすり合わせ
- 10:00 エレメントのコアバリュー超言語化
- 11:00 エレメントのパーパス超言語化
- 12:30 ランチ
- 14:30 エレメントのミッション・BHAG超言語化
- 15:30 エレメントのビジョン超言語化
- 16:30 社内に浸透するためどうするか発表
- 17:00 終わり
かなりタイトなスケジュールで、絶対に1日では終わらないと言われました。
が、絶対にスケジュール通りに終わらせたいのが私。ちゃんと時間内に終わりましたよ。汗
ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスの言葉の概念をすり合わせ
まずは、言葉そのものの概念を理解していないことには話は進みません。
世の中、ビジョン・ミッションの意味でググってみると発信するひとによって言葉の概念がかわります。
なので宿題であった書籍「ビジョナリーカンパニーZERO」を熟読しどう理解したのかアウトプットしました。
みなさん満点レベルの宿題をこなし、この時点で共通認識が生まれました!!888888
きちんと約束を守るスタッフがいることが素晴らしかったです。
エレメントのコアバリュー超言語化
社長の想いと、単語の意味を深掘り、ビタッと決まる言葉になったのがこちらのコアバリュー。5つ全て意味が込められているので改めて一つ一つ紐解いた作業です。
コアバリューは会社の行動指針となる言葉です。お客様の前、社内、どんなシーンでもエレメントとしてどのような意思決定が下されるのか全てここにつまっているといっても過言ではありません。
1、関わり方 【敬意ある人のつながり】
敬意とは、家族や同僚、顧客、取引先にも礼儀ある関わりをすること。たとえ、相手が敬意がなくても、敬意をもって毅然と対等の関係で関わること。どの瞬間も敬意をはらい人とつながっていくという意味です。
2、考え方 【どんな相手・場面でも価値創造し続ける】
誰に対してもどのシーンにも、顧客への価値づくり、関係性の価値づくり、エレメントへの価値づくりどれも考え続けること。価値は時代の流れとともに変わっていくものなので、考え続けていくことが前提条件として大切です。
3、姿勢 【ビジョンもって生きる】
働く意義、理想とすること、成し遂げたいことを掲げて仕事に取り組むこと。なんのために?という指針を自分の中に持っていないと関わる人を動かすことはできない。だからまずは自身のビジョンを持つ。そしてエレメントのビジョンに共感すること。その2つが混じり合い、顧客や社会のため、ひいては自分のために生きられる。
4、行動 【生きてる限り学びと表現をつづけ成長する】
人間は学びをやめると成長が止まります。マーケティング支援においても、学び続けなければ成果を出すことはできません。私たちは常に学び、アウトプットし成長し続ける姿勢を大切にします。
5、目的 【結果・成果にこだわる】
結果、成果の為に出来ることは全て尽す姿勢でいること。成果を出すためには、マニュアル通りではなく、状況に応じて柔軟に行動することが重要です。単に集客するだけで満足せず、必要とされることを徹底して取り組みます。既存の階段を登るのではなく、自ら必要な階段をつくり上げる姿勢が求められます。
エレメントのパーパス超言語化
パーパスは、変わらない指針。どんな山を越えようとも変わらず目指す一番星のような指針といわれています。
エレメントで変わらない目的は、
私たちは、関わる人のビジョンの成功を支援します。
ただ売上を上げるなどの儲かっただけでなく、関わる人のビジョンまで支援しながら仕事するという意味があります。ビジョンの中には、相手の想い・理念・公共性・かっこいい未来、共感できる未来が含まれています。関わる人の未来を願い、私たちはサポートさせていただいているのです。
ランチ
先ほど紹介したホテルのレストランでみんなでランチです。OYOBA-RE
それぞれ好きなメニューに夢中でした!
エレメントのミッション・BHAG超言語化
いやーーーここに一番時間をとられました。
目標がありすぎてまとまらずに時間がかかりました。
BHAGの目標として、社運をかけた目標になっているかが基準となっています。
でてきた目標はたくさんありますが、全てこの社運をかけた目標になっているかというふるいにかけて決まったことがこちらの目標です。
2030年までに
圧倒的な成果を生み出す、北海道No.1のWEBマーケティングチームになる
上記BHAGを達成するまでに必要な目標まで定めました。売上、管理数、制作費用などここでは公表できない数字まで落とし込みます。
エレメントのビジョン超言語化
エレメントのビジョンは、「輝きを共に創造する」とすでに決まっていましたが、改めて言葉の意味を詳しく社長にヒアリングしながら共通言語づくりとして進めました。
輝きって?創造ってどんな意味が含まれているのだろうとか。
輝きを共に創造するとは、「関わる人々の輝きを共に創造する会社だよ」という意味です。
WEBマーケティングは、関わる人に貢献を最大化できる最強の手段だと思っています。
私たちは、クライアントの事業成功を支援することで、社会に貢献し、自分たちも輝いている瞬間を共に創造します。
自分が輝くだけでなく、人を輝かせることで生まれる連鎖が、真の価値を創り出せる。エレメントはあなたの輝きのために共にいることを忘れないで欲しい。
といったメッセージが込められています。
ビジョンを社内に浸透せよ!ここが一番重要です。
ビジョンは「作って終わり」ではありません。むしろ、作ってからが本当の始まりです。せっかく共通認識を持つことができたビジョンを、どうやって社内に浸透させていくのか――。
宿題にしていたことをみなさんに共有していただきました。
エレメントで導き出した結論は以下の通りです。
- 週に1回、コアバリューに沿った行動を朝礼で発表する
- 月1回の全体会議で、ミッションに向かって行動できていたか振り返り報告をする
- 変わることのないビジョンやパーパスを壁に掲示し、常に目に触れるようにする
まずはこれらの取り組みを通じて、ビジョンを社内に根付かせることを目指し、翌週から浸透体制がスタートしました。
正直、この「社内浸透」のプロセスこそがビジョン会議で最も重要な部分だと考えています。
なぜなら、ビジョンやミッションは、継続的に浸透させていく努力が必要だからです。もし経営者だけが浸透させようと頑張っても、それでは組織全体に根付くことは難しいでしょう。
だからこそ、スタッフ自身が「自分で考え、行動する仕組み」を持つことが、ビジョンを浸透させる一番の近道だと感じています。組織の一員である以上、視座を高く持ち、当事者意識を持つことが大切です。
ーーービジョン研修の翌週ーーー
ビジョン研修の翌週からコアバリューに沿った行動目標や経過を朝礼の時間にそれぞれ発表してもらいました。
お題:【敬意ある人のつながり】がもてる行動やもてた行動について
普段はパソコンと向き合うだけの業務なので、お互いに考えていることを知ることができ改めていいテーマだなと感じました。
今後も毎週継続してやっていこうかと思います。
ビジョン研修に参加した社員の声
実際に、ビジョン研修をしてみてどうだったのかスタッフに正直な感想をいただきました。
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以前からビジョンはありましたが、1日かけて向き合うことや、皆で考え直すこともなかったため、言葉の周辺にある考えや思いを共通認識できたのではないかと思います。今後それを行動に移す際にも活用しやすくなったと思います。 ディレクター今井あ
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ビジョン研修への参加を通して、会社と個人のベクトルを合わせることができました。活発な意見交換を通じて、ビジョンに対する理解を深め、共通認識を持つことができたと感じています。 ディレクター高石
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「会社のビジョンを理解する」
言葉にすると簡単なようで、実際に行動することは難しいものです。ビジョン研修で他のスタッフと対話しながら、理解を深めることができて濃い時間を過ごすことができました。エンジニア森口
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事前準備が課せられビジョンの設計について当事者意識で望むことができました。これまではなんとなくの言葉で理解していたところも、改めて各個人ごとの解釈や捉え方に違いがあることがわかり、今回の研修を通じてより共通認識が深まったと思います。大事なのは決めたところで終わらせずに、行動を通じて社内に浸透させること。ビジョンに限らず、マーケティングにおいては、共通言語化すべき点も多々あるので、今回の研修の効果を糧に他の分野でも活かせていけたらと思います。 ディレクター山西
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当日までちゃんと終わるのか、できるのかという不安が大きかったのですが、みなさんの予備知識や理解しようとする姿勢が高かったので、スムーズにビジョン研修を終えることができました。開催するのも大事ですが何事も準備も大事だと痛感します。あとは、ビジョンをどう浸透させるのかという部分、研修を終えても継続して振り返られる仕組みがとても実用的でいいなと感じています。 ディレクター綿井
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社長:みなさん最低限の業務の知識やスキルは身につけていましたが、今回は他社とは全く違う価値を共に創造することだと感じました。
今回、参加いただいたみなさんは、元々、僕が話してきたビジョンに共感して頑張ってくれていた人たちです。ぼくがサラリーマン時代には出会えなかったような素晴らしい仲間たちですが、ビジョンを通して1人1人がクライアントや自分の人生に役立てる指針として、素晴らしい職業人として、、、と、今回、綿井を中心にチームの1人1人が考えて進めてくれたことは、チームとして非常に大きな一歩、1人では歩めない大きな一歩になったと感じています。 社長
会社が「ビジョン研修」をする意味
「会社が社員と一緒にビジョン研修をする意味があるのか?」と問われれば、私は迷わず「あります」と答えます。
たとえ1日業務が止まってしまい、他のスタッフからブーイングがあったとしても、「やります」と断言します。
その理由は、ビジョンが社員一人ひとりの中で「腑に落ちていなければ」、社内に浸透させることはできないからです。
腑に落ちるとは何か?
腑に落ちるとは、ただ言葉を頭で理解しているのではなく、肚に落とし込めているのかという状態です。つまり、全身でビジョンを思い描けているかまでです。
スタッフ全員が腑に落ちている状態をつくるには、一つ一つの言葉に真剣に向き合い、素直にどういう意味かということが聞ける環境や関係が大切です。
その環境を作る上でも「ビジョン研修」が理想の環境といえますよね。だから意味があるのです。
ビジョンが会社にもたらす効果
ビジョンを明確にし、それを社員と共有することで得られる効果は多岐にわたります。
- ビジョンがあれば現場の意思決定に役立ちます。
- ビジョンがあれば仕事と前向きに向き合えます。
- ビジョンがあればチーム力が高まります。
- ビジョンがあれば、同じ価値観を持つ人が仲間になります。
ビジョンという言葉に秘められたパワーは、会社に「目に見えない利益」をもたらすのではないでしょうか。
エレメントは「あなたのビジョンを支援すること」がお仕事です
私たちは「関わる人のビジョンの成功を支援する」というパーパスを掲げています。
マーケティングという数値的な成果を重視するだけでなく、お客様やその先にいる人たちの想い、理念、公共性、そして「かっこいい未来」や「共感できる未来」を支援することを目的としています。
あなたのビジョンは何ですか?
ぜひ、その言葉を私たちに聞かせてください。エレメントがその実現を全力でサポートします。