「ネットショップを始めようと思うんだけど、どうすればお客さんが来てくれるようになるの?」
「ネットショップを開設してから半年が経ったけど、まったく売れない。どうしよう」
このような疑問や悩みを持つ方に向けて、ネットショップに顧客が自然にやってくる仕組みづくり、商品が売れるようになるための方法、リピーターを育てる方法などを解説する。
この記事を読めば、「けっきょくは自社のネットショップが選ばれる理由をつくらないと売れ続けることは不可能だ」という核心を理解でき、「まず取り組まなければならないのは、顧客理解を深め、それに対して自社がどれだけの価値を提供できるかを考えることだ」と気づける。
ネットショップでうまくいかない最大の理由は、「いいものをつくれば必ず売れる」という昔ながらの“製品思考”だ。はっきり言ってしまえば、いいものをつくっているのは、あなただけではない。当然のように、あなたのライバルも、いいものをつくっている。
では、そんな中で、あなたのネットショップが選ばれる理由は? それについて考えることがいかに大事かを認識するのが、この記事のゴールとなっている。
これからネットショップを開設したい方だけでなく、すでにネットショップはあるが、まったく売上があがらなくて困っている方も、ぜひ読んでほしい。必ず、次の行動につながるはずだ。
ネットショップ集客で成功する条件
ネットショップの集客で成功するには、以下の条件を満たす必要がある。成功要件を分解し、以下に整理した。分かりやすくするためにスコア化している。すべて合計すれば、ネットショップ集客の環境は文字通り100点ということになる。
- 見込客の想定が明確(30/30点)
- 競合との差別化ができている(20/20点)
- 価値づくりができている(20/20点)
- 商品写真やサイトデザインがきれい(15/15点)
- 顧客が安心できる要素が揃っている(5/5点)
- サイトが使いやすい(5/5点)
- 値段が妥当である(5/5点)
とはいえ「100点にしなければならない」というわけではない。また、スコアの配点が客観的に正しいわけでもない。ただ一つ言えるのは、「見込客の想定が明確」「競合との差別化ができている」「価値づくりができている」という3要素が、非常に大きいスコアを占めているという点である。
あくまでも、ネットショップで集客する環境として、いまどの位置にあるのか、現状を把握するための参考として使ってほしい。ちなみに「価値づくりって何?」という方は、以下の記事がおすすめだ。
また、「サイトを使いやすくするには?」「顧客が安心できる要素って何?」という方には、次の記事を読んでほしい。
無料でネットショップ集客する方法
「とにかくお金をかけずに集客できるようになりたい」とは、誰もが思うことだろう。結論からいうと、無料でネットショップ集客をすることは非現実的ではなく、実際にできる。ただしポイントは「継続」である。継続しないことには、何も始まらない。
1、自社SNSから集客する
Instagram、Facebook、X(旧Twitter)など、SNSアカウントを創設すれば、投稿を見た人をオンラインショップに誘導することができる。ただし、オンラインショップで販売する商品・サービスを購入する層が、どんなSNSアカウントを利用しているのかを考える必要がある。
2、自社サイトから集客する
たとえばコーポレートサイト(どんな会社なのかを伝えるサイト)をすでに持っているなら、コーポレートサイトにお客さんが来るように施策して、そこからオンラインショップに誘導することもできる。
では、お金をかけずにコーポレートサイトにお客さんが来るようにするには? 候補は3つある。一つめはSNS、二つめは動画、そして三つめがブログ記事だ。とくにブログ記事は、役立つ情報を発信し続けることで新規をファンにする効果がある。ブログが書ける人がいるなら、ぜひトライしてほしい。
3、自社アカウントのYouTubeから集客する
近年ではYouTube動画を使って集客するパターンもある。商品やサービスにもよるが、動画の内容と相性がよければ集客の可能性はある。ただし、動画からやってきた顧客の大半は、おそらくリピーターとしては定着しないだろう。オンラインショップの要はなんといってもリピーター客の創造だ。新規顧客をリピーター客に育てるには、自社のファンになってもらうためのその他の努力(コーポレートサイトの充実やブランディング)も必要である。
短期間でネットショップ集客の成果をあげる方法
短期的にネットショップに顧客を誘導するなら、やはり「広告」が手っ取り早い。ただし、広告は“カネの切れ目は縁の切れ目”なので、出稿をやめた途端、まったく顧客が来なくなる。そのリスクは覚悟しよう。上手な使い方としては、オンラインショップを立ち上げたばかりで認知がゼロにひとしい状態のときに、「いち早く認知を拡大する」という目的で広告を使う方法だ。
1、リスティング広告を使う
リスティング広告とは、「この検索KWで調べてきた人にうちのサイトを表示してほしい!」とGoogleにお金を払う広告だ。ワンクリックごとにお金がかかる仕組みで、クリック単価は、KWの人気度(競合の多さ)に依存する。業界によっては、ワンクリックで1000円もする超激戦区もあれば、わずか30円で済むような、“ブルーオーシャン”もある。
2、SNS広告を使う
ポピュラーなのは、InstagramとFacebookだろう。こちらは検索KWではなく、ユーザーの属性(性別・年齢・職業・住まい・趣味・よく見る投稿など)のデータを参考に、あなたの商品やサービスを宣伝する方法だ。特定のユーザー層に手あたり次第宣伝をかけるので、ある意味で、“マスマーケティング”の一種といえるだろう。
3、モール型のネットショップを利用する
Amazonや楽天といった、様々な出店者が集まったサイトを「モール型」のネットショップと呼ぶ。サイトの集客力が圧倒的なのが最大の魅力だ。モール型のネットショップに商品を出品するということは、たとえるなら、「365日人でにぎわうイオンのショッピングモールに出店する」ことに値するだろう。
ただし、ショッピングモールに店を出すということは、競合店も多いため、競争も激化する。それと同じで、巨大なモール型ネットショップに出品されている数多の商品の中から、自社を選んでもらわなければならない。
あなたも調べてみればすぐにわかるだろう。正直なところ、「北海道 海産」で調べただけでも、似たような商品がどんどん出てくる。これが現実である。ブランド力がゼロの状態でモール型のネットショップに出品するとしたら、価格の優位性で勝負せざるを得ないこともある。しかし価格でしか差別化を図れない市場は、血で血を洗う“レッドオーシャン”なので、はっきりいっておすすめはしない。価格でしか勝負できない商品は、いずれにしろ先は長くないだろう。
長期的に安定したネットショップ集客を実現する方法
ネットショップ集客を安定化したいなら、目先の利益ではなく、長期的に施策を考える必要がある。
1、顧客リストを集めてメルマガを発信する
顧客リストはリピーターの宝庫だ。「とにかく新規、新規だ!」と躍起になっている人の多くが、すでに購入してくれた既存客を大事にしていない。現代のマーケティングでは「新規」を増やす以上に、リピーターを”育てる”ことが大事だと考える。それはネットショップ集客でも同じことだ。商品を買ってくれた顧客を大事にする施策をしっかり行っていこう。メルマガ、ニューズレター、SNSのダイレクトメッセージなど、とにかく既存客と接点を持ち続けることが肝要である。
2、SNSを更新し続ける
SNSは、新規客を呼ぶ入口であり、既存客がファンになる接点でもある。つねにフレッシュな情報を発信し続けなければならない。更新が途絶えたSNSほど、顧客からの信頼を落とすことはない。「この店、開業当初は頑張って更新していたけれど、もしかして商売うまくいかなくなっちゃったのかな」と思われたときが最後である。忙しくて更新する暇がないという切実な理由があったとしても、それは顧客の知るところではない。
SNS更新を続けるコツは、無理のない更新頻度を設定することである。張り切って毎日更新すると、あとが大変だ。「3日に1回」でもいいし、「忙しいときは最低でも週に1回」とルールを決めておこう。
3、ブログ記事で自社サイトを育てる
「SNS」や「YouTube」は、他社のサービスに依存した媒体だ。苦労して登録者10万人にまで育てたInstagramアカウントも、メタ社がInstagram事業から撤退すれば、すべて水の泡だ。YouTubeもまたしかり。
どうすれば、集客の“永続性”を獲得できるのだろうか。限りなく理想に近づくためには、自社のコーポレートサイトを育てる必要がある。なぜなら、ドメインが存在する限り、あなたのコーポレートサイトは不滅だからだ。
ではどうやって育てる? カギは「ブログ記事」だ。いまさらブログ――と侮ることなかれ。ブログはブログでも、単なる日記ではない。顧客の悩みや疑問に役立つ情報を掲載すれば、ブログは立派な「WEBメディア」になるのだ。
以下は、ブログ記事で自社サイトを育てることでネットショップ集客に成功した実例である。気になる方は画像をクリックすれば、実際にどんな変化があったのかを詳しく知ることができる。
集客できるネットショップのおすすめ
ネットショップをゼロからつくるのは大変な手間と労力がかかるので、今日では、ネットショップのフォーマットを提供しているサービスを使うのが一般的だ。以下に、主流のネットショップを紹介する。
BASE
手軽に始めたい方向け。費用を気にせずさまざまな機能を使用できる。アプリをインストールすることで、スマホで簡単にショップをデザインできるのも魅力。
STORES
フリープランのなかでは、手数料が最も低い。複雑な機能が少なく、使いやすい。「費用を抑えてネットショップを開設したい」というニーズにぴったり。
カラーミーショップ
フリープランの他、機能に応じた3プランがあるため、売上状況に応じて、グレードアップして機能を拡張できる。マニュアルやZoomの画面共有機能のサポートが充実しているのもうれしいポイント。
makeshop
ECアドバイザーが、初心者向けの運営・集客の相談などを無料でサポートしてくれる。「いま自分にはどんな機能が必要か」「運営方法がさっぱりわからない」「どうやってお客さんに認知してもらえばいいのか」といった種々の疑問や悩みに答えてくれる。
他にもおすすめのネットショップがある。詳細については、以下の記事を参照いただきたい。
ネットショップ集客を始めるために必要なこと
ネットショップを行うからには、カスタマーサポートを含めた運用体制が不可欠だ。
ネットショップ担当者の決定
まずはネットショップ担当の責任者を決めよう。認知ゼロからのスタートの場合は、一人でも十分に回せるかもしれないが、売上規模に合わせてチーム編成する必要があるだろう。顧客が増えると、あっという間に手が回らなくなる。
マーケティング戦略の立案
意外に軽視されがちだが、マーケティング戦略は絶対に行うべきだ。マーケティング戦略がない状態でネットショップを始めても成功しない。ではマーケティング戦略とはどのように行うのか? 何から考えなければならないのか?
マーケティングとは端的にいうと、「顧客が何を求めているのかを理解し、自社の商品やサービスを適合させる」ことをいう。言い換えると「ネットショップで販売する商品は、どんな人が買ってくれることを想定しているのか」ということである。この問いにしっかり答えられないと、商品のラインナップや価格設定はもちろんのこと、ネットショップのデザインが見当外れのものになってしまう。
ポイントは、「自分たちが売りたいものを売るのではなく、顧客が求めていること・ものに寄り添って売る」という顧客起点の発想である。
マーケティングは非常に奥が深く、一朝一夕でどうにかなるものではない。だからこそ、マーケティング戦略は、時間をかけて焦らず取り組むべきだ。マーケティングの詳細については、ここで説明するにはあまりに長くなってしまうので、以下の記事を一読願いたい。キャッチコピーについて論じた記事ではあるが、マーケティングの原理原則について詳細に書いている。
戦略立案の仕方はこちらの無料ダウンロード資料もぜひ参考にしてみて欲しい。具体的なノウハウがここにある。
資料ダウンロードお申し込みまた以下の記事は、「顧客起点」でビジネスを行う意味について詳細に論じている。マイクロソフトやGoogleに多大な影響を与えたマーケティングの大家、ピーター・F・ドラッカーの解説記事である。
http://d-lab.management/?p=16168
本業が忙しくてネットショップ集客に集中できない場合
「ネットショップの担当者が決まらない」「ネットショップ運営を実行する社内リソースが足りない」という場合は、ネットショップの運営の代行業者に依頼するのも選択肢の一つだ。WEBマーケティング施策も行ってくれる業者もいるので、「販売実績はないが、この商品をネットショップで売ってみたい」という要望にも応えられるかもしれない。
ちなみに私たちエレメントは、WEBマーケティングに力を入れている。ネットショップ事業にも本格的に取り組んでみたい方や、マーケティング施策に自信がない/やり方がわからない方は、気軽に相談してほしい。相談は無料だ。
無料相談するさいごに:自社でネットショップを持つなら「価値づくり」が必須
今日では、大手企業から中小零細まで、事業の規模に関係なく、ネットショップを展開する企業が着実に増大している。というより、これまでの「オフライン」のみの事業戦略に限界を感じて、ネットに主戦場を移し始めているといっても過言ではないだろう。
ネットショップは、今後も大いなる可能性に満ちている。地理的な制約が取り払われるため、これまで北海道内でしか売れなかった商品が、沖縄に顧客を持つことだって夢ではない。ネットショップは、これまでになかった新しい市場を開拓するという意味で、立派なイノベーションである。「ネットショップと相性が悪い」と言われた家具業界ですら、近年は右肩上がりで成長を続けているのだ。
ただし注意が必要である。ネットショップ市場が拡大するということは、競合に埋もれやすくなる。そんな中で、どうやって自社のネットショップが顧客に選ばれるようになるのか。その問いが、ネットショップで成果を出すための分水嶺となることは間違いない。
ようするに、顧客に選ばれるための「価値づけ」がネットショップ事業の最重要課題となる。「作り手の想いをしっかり言語化して伝える」「顔が見える安心感を出す」「譲れないこだわりを伝える」「商品開発のストーリーを伝える」など……様々なアプローチから、価値づけを行うことができる。
「そんなこと言ったって、うちにはそんな自慢できるような価値はないよ……」と思っている方も、どうか諦めないでほしい。実はこうした価値というのは、第三者の目から見たほうが鮮明になることも少なくない。なぜなら事業の当事者たちは、プロであるがゆえに、価値を自覚できないこともあるからだ。当たり前だと思っていたことが、実は周囲からみれば価値のあることだったという皮肉は実に多い。
もしあなたが、「価値づけ」に悩んだときは、ぜひエレメントに相談してほしい。私たちは顧客起点に立ちながら、顧客にとってあなたの事業のどんなところに価値を感じるかを言語化することができる。
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