官民一体となって取り組む北海道・上川地方の農業とフードツーリズム


「フードツーリズム」とは

2000年代に入り、食と観光の関係が注目され始め、地域の伝統的な食文化からB級グルメといった新しい名物の開発にいたるまで、観光者が喜ぶ「物語」を用意し、それにまつわる「食べ物」を提供することにより、観光者の目的地選択における優先順位を上げる取り組みとして広がってきた言葉で、食文化を体験することや広く食にかかわる観光を総じて使われることがあるようです。

上川総合振興局が紹介する「かみかわ食べものがたり」

北海道の上川地方を管轄する上川総合振興局が、地元の生産者や加工業者の開発エピソードを取材して情報提供している「かみかわ食べものがたり」

かみかわ食べものがたりhttp://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/ss/srk/kamitabe.htm

地元でその商品に慣れ親しんで暮らしていても、その商品にまつわるエピソードまでは知らなかったり、企業名は知っていてもそこで働く“人”までは知らなかったりするので、より地元の生産者や企業、商品に愛着がわくきっかけとなる、とても良質な読み物です。

「かみかわ食べものがたり」から「かみかわフードツーリズム」へ

上川総合振興局が次に力を入れているのが、現時点で144編からなる「かみかわ食べものがたり」と「観光」をかけ合わせ、「食」のチカラで地域に人を呼ぶ!「かみかわフードツーリズム」

その準備段階として地元の生産者・飲食業者・観光業者等を対象に行われていた全4回のワークショップの一部に昨年度関わっていた食べマルシェお取り寄せ倶楽部の関係で参加させていただきました。

旭川市で行われた生産現場見学会

ワークショップは通常であれば農閑期と言われるまだ雪深い真冬に行われましたが、この時に訪れた3箇所の生産者はいずれも生産の真っ只中でした。

真冬の北海道でこんなにも野菜や果物が作られていたなんて!というのが最初の驚きでした。

冬の北海道のスーパーに並ぶ野菜は、一部を除いて本州産のものが多いというイメージがあったからです。

千本ネギ「旬の彩り。」 古屋農園(東旭川)

最初に訪れたのは東旭川にあるお米や野菜を作っている古屋農園今回は千本ネギ「旬の彩り。」をご紹介いただきました。

千本ネギ「旬の彩り。」 古屋農園(東旭川)

千本ネギ「旬の彩り。」 古屋農園(東旭川)

千本ネギ「旬の彩り。」 古屋農園(東旭川)

千本ネギ「旬の彩り。」 古屋農園(東旭川)

音楽家かと思ったオシャレな古屋 新さん。
お話しも上手で、交流会にて前職は中学校の英語の先生だったと聞いて納得。

生産者さん同志では専門用語での質問が飛び交っていました。

寒冷地での工夫を自分のところだけで囲い込むのではなく、惜しみなく情報をシェアするところがこれからの農業の可能性を感じました。

千本ネギ「旬の彩り。」 古屋農園(東旭川)

ハウスの隣の蔵では古屋 勝さんが、この地域の農業の歴史も含めて説明してくださいました。

今朝も作業を開始した朝はマイナス25℃だったとか。

そんな自然との付き合いを“たたかい”と呼ぶのではなく
「僕らがどんなに頑張ってもお天道様次第。自然の恵みなくしては出来上がらない」とおっしゃっていたのが、とても心に残りました。

「かみかわ食べものがたり」の古屋農園の記事はコチラ

寒締めホウレン草と越冬野菜 守屋農園(東旭川)

続いて訪れたのは、同じく東旭川にある守屋農園へ。

こちらでは、寒締めホウレン草と雪の下の大根をご紹介いただきました。

寒締めホウレン草と越冬野菜 守屋農園(東旭川)

こちらでは、畑に有害なものが持ち込まれないようオーバーシューズ着用で。

これがまた雪の上でよく滑るので、雪道に慣れた道産子のみなさんもおそるおそるハウスに向かいました。

寒締めホウレン草と越冬野菜 守屋農園(東旭川)

ハウスの中にはもちろん雪もなく、少し暖かく感じましたが、暖房は使っていないとのことで、普段はハウス内でも土もホウレン草も凍るとのことでした。

なので、収穫は天気の良い暖かい日にしているそうです。

寒締めホウレン草と越冬野菜 守屋農園(東旭川)

個人的に、地元の寒締めホウレン草が大好きで、東川町の道草館にはよく買いに行っていたのですが、旭川でも作られているとは知らず、これはぜひ食べたい!と交流会で守屋さんに買える場所を教えていただきました。

寒締めホウレン草と越冬野菜 守屋農園(東旭川)

人が群がってわかりづらいですが、こちらでは雪の下に寝かせた大根の紹介を。

普段は別の場所で保管されているそうですが、今回の見学の為に用意してくださいました。
雪の下に寝かせることにより、大根の甘味が増すそうです。

四季成りイチゴ「瑞の香」 のなか農園(東鷹栖)

最後は、東鷹栖にあるのなか農園へ。

こちらでは四季成りイチゴ「瑞の香」をご紹介いただきました。

四季成りイチゴ「瑞の香」 のなか農園(東鷹栖)

まさか冬の北海道でイチゴが生産できるとは思っていなかったのですが、もともとはお米やアスパラをメインにしていたなか、17年前に野中 剛さんがおひとりで一年中収穫できるイチゴを、と開発に取り組み、品種改良を重ねて平成23年に「瑞の香」を品種登録されたそうです。

四季成りイチゴ「瑞の香」 のなか農園(東鷹栖)

四季成りイチゴ「瑞の香」 のなか農園(東鷹栖)

こちらではなんと、イチゴの試食もさせていただき、濃厚な甘さと程よい瑞々しさがたまりませんでした。

商品化された今も、それぞれの畝の高さを変えて全てに光が当るように工夫されたり、どの高さ・温度がベストなのかを試しながら更なる品質向上を目指していらっしゃいました。

四季成りイチゴ「瑞の香」 のなか農園(東鷹栖)

見学会終了後は上川総合振興局に戻って意見交換会と大雪地ビール館で交流会

見学会終了後は、コーディネーターにまちづくり観光デザインセンターのかとうけいこさんを迎えて、意見交換会が開催されました。

フードツーリズムも企画・開催されたことがあるかとうさんのご経験や上川地域のフードツーリズムの可能性等、お話しを伺いながら、ワクワクし通しでした。

私も地元の生産者さんや飲食店の方々と協力して、東京の友人に紹介できるようなフードツーリズムを企画したい!と新たな野望も浮かんできたり。

今回の見学会には、素材に対する意識の高い飲食店の方も多数参加されていて、その方々の想いや意見も伺うことができ、行ったことがあるお店は、より好感が持てましたし、行ったことがない飲食店には、行ってみたいという気持ちが強くなりました。

おそらくこのワークショップの企画段階からのキーマンになっている
シニア野菜ソムリエで(株)amuse代表の江刺 誠治さんのお話も印象的で、
「自分が儲けるには、まず僕につながる人を儲けさせたい」
「共感できる流通の仲間も作りたい」
とおっしゃっていました。

仲買人としてその高い目利き力から、生産者の方からも多数相談を受ける江刺さんが、その立場に奢らず、まず相手を大切にしているからこそ、生産者・飲食店関係者・消費者と、関わるどの立場の人からも信頼されるのだと感じました。

ちなみに、本っ当に余談ですが、
江刺さんとは実家が近所で私の幼なじみのお兄さんでもありまして・・・
「誠治くん、すごい!!」という個人的な感想も胸に秘めて参加しておりました。

大人になって、仕事の面でご挨拶できる機会をいただき、
「なんか見たことあると思ったら・・・」
と覚えていただいて嬉しかったです。

第二部の交流会は、大雪地ビール館に会場を移し、見学会や意見交換会ではお話しできなかった方とも交流を深めることができました。

ワークショップ参加後に、全て食べました!

ワークショップ参加後、これだけ生産者のみなさんの想いや努力を伺ったら、ぜひ食べてみたい!と思い、全て食べてみました。

今はだいぶ時期が違うので同じ場所に行っても買えないと思いますが、
古屋農園の千本ネギ「旬の彩り。」は近所の松田青果店、
守屋農園の寒締めホウレン草は近所の生協、
のなか農園のイチゴはブランドは違いましたが、フィールのB1Fのamuse marketで購入できました!(6月22日時点ではフィール店は閉店、6月15日からマルカツ店がOPENしてます)

どれもお話し通りに美味しく、さらにその素材と生産者の顔の両方を思い浮かべられる幸せを、北海道ならではの恵みとして実感しました。

地域行政が主導で、真摯に取り組む生産者と、素材を大切にし、さらに良さを引き出す料理人、その両者をつなぐ目利きの仲買人、そしてそれを発信・広げる観光業関係者が共に学び、交流できるというこのワークショップは、本当に素晴らしい企画だったと思います。

このように官民一体となって、地元の魅力をあらためて見直し、共有・発信すれば、全国各地から人が訪れる魅力的な自治体になる可能性を強く感じました。

参加させていただき、ありがとうございました!


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テンちゃん

テンちゃん

広報
ソフトクリーム・アイスクリーム・チョコレート・ケーキ・プリン・・・ 甘いモノ大好き。飲ミュニケーション大好きです。 が、今は2歳の息子にメロメロで飲ミュニケーションはちょっとおあずけ。 子連れで行けるお店やオススメの商品・観光地もご案内したいと思います!

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